ビジネス

2021.11.29

ターゲットとウォルマートのEコマースが急成長している理由

Getty Images


アマゾンはそれ以外にも、先行企業に追いつこうとする努力を強めている。

アマゾンはつい先ごろ、同社プラットフォーム上で商品を販売する中小企業向けのクリック&コレクトオプションを導入した。買い物客は、アマゾンのサイトで商品を購入し、その日のうちに近所の店舗で受けとることができる。あるいは、販売業者が自社のドライバーと設備を使って、即日配送を提供することもできる。

ターゲットは、Eコマースにおけるラストマイル配送の改革をめざすのではなく、オンライン注文のほぼすべてのフルフィルメントを店舗でおこなう戦略をとっている。商品受けとりカウンターはメイン入口の正面にあり、スタッフも充実している。

そして、最近訪れた経験から言えば、カスタマーサービスは迅速だ。店舗内でのフルフィルメントの効率が良いおかげで、客は長い列に並ばずに済む。店舗を出る前に、店舗内を見てまわる確率も高くなっている。

ウォルマートの戦略には、成功した会員プログラム「ウォルマート+(プラス)」も含まれている。

ジャングル・スカウトによる最近のリポートによれば、米国の消費者のうち、ウォルマート+の会員は35%というかなりの割合に上る(対して、アマゾンプライムの会員は59%)。

最後に、ターゲットとウォルマートはどちらも、価格の問題を解決したように見える。消費者のほとんどは、アマゾンで価格をチェックしてから、別のいろいろな場所で購入している。サードパーティ販売業者が扱う商品の価格は、数年前には3社のあいだで大きな違いがあると筆者はリポートしたが、現在はカテゴリーの多くで、ほとんど変わらなくなっている。

では、ウォルマートやターゲットなどの企業は、どうすればアマゾンとの差を縮めていけるだろうか?

簡単に言えば、可能なかぎりの方法で顧客との距離を縮めればいいのだ。そのためには、顧客のニーズや望み、欲求に耳を傾け、理解し、それを満たす必要がある。

筆者が思うに、ウォルマートのダグ・マクミロンCEOは、自社のチームと顧客にうまく対応している。というのも、店舗で彼を見かけたときには、(アマゾンCEOのように)ロケットを宇宙に打ち上げることに必死になったりせずに、相手の話をよく聞いて理解しようと努めていたからだ。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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