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I write about how retailers can determine what customers really want.

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2020年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、全世界の活動が急ブレーキで停止した。このとき、アマゾンが、Eコマースの王座を狙うライバルたちを残らず地図から消し去る道が敷かれるだろうと考えるのは、妥当な見方のように思えた。チェーン展開する実店舗の駐車場がどこも空という状態で、アマゾンの物流、価格、データ収集に肩を並べられる者などいるだろうか? これまでのところ、それができた者はいない。

だが、消費者が戻ってきている現在、ターゲットとウォルマートは、アマゾンにないもの、つまり「実店舗のネットワーク」を活用して、誘引力を見いだしつつある。

ターゲットの場合、買い物客はいまでも、人と人との接触を好んでいるようだ。同社のクリック&コレクト事業(ネット上で商品を購入し、実店舗で受けとるサービス)は、ほぼ1900店の米国店舗で活況を呈している。

ウォルマートの持つ利点は、フルフィルメント/流通インフラがアマゾンよりもはるかに大きいことだ。ジャングル・スカウトによれば、アマゾンが110センターであるのに対し、ウォルマートは150余のセンターを擁している。ネットで注文した商品を受けとれる店舗も4700店に上っている。

ターゲットもウォルマートも、パンデミックが起こる前から、信頼性の高いEコマースのプラットフォームを開発しようとしていたが、世界的な活動停止により、そうした取り組みに緊急性が生じた。

どちらの会社も、アマゾンにとって差し迫った脅威になっているわけではない。アマゾンはいまも、Eコマースを支配している。市場シェアは、ウォルマートが7%、ターゲットが2.2%であるのに対し、アマゾンはおよそ40%だ。

しかし注目に値するのは、両社のEコマース事業が、アマゾンよりも急速に成長していることだ。さらに言えば、オンラインニュースサイト「eMarketer.com」によると、米国の小売Eコマース企業上位10社のいずれをも上回っている。アマゾンのEコマース事業の年成長率は15%であるのに対して、ウォルマートのオンライン売上は21%、ターゲットは23%の成長を見せている。

Eコマースと実店舗の融合は、パンデミック勃発当初は直観に反するように思えたかもしれない。だが、アマゾンが現在、自社の店舗ネットワークに大々的に投資している理由はそこにある。

過去の記事でも伝えたように、アマゾンは食料雑貨の販売に関して、大規模な店舗コンセプトを展開しつつある。国際ショッピングセンター協会(ICSC)によれば、推定3600店舗が計画されているという。実現すれば、おそるべきクリック&コレクトのネットワークになるはずだ。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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