TikTokは、誕生からわずか3年で、アクティブユーザー数が全世界で8億人に達するという早業を成し遂げた(フェイスブックは、同じユーザー数を達成するまで7年以上かかっている)。
TikTokは、他のソーシャルメディア・プラットフォームが行き詰まった分野でも成功を収めた。ハッシュタグ「#TikTokMadeMeBuyIt」(TikTokで知った商品を他のユーザーにも勧めるタグ)が付いた動画の視聴回数が61億回に達したのだ。TikTokの小売業界に対する影響力は、無視できないものとなっている。
ソーシャルショッピング
ショッピングや消費がオンライン上へと移行する流れは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで加速した。また、ソフトウェアが大きな成長と進歩を遂げ、ソーシャルメディア・プラットフォーム上におけるショッピングの優先順位がどんどん上がっている。それを先導しているのがTikTokだ。
大手の小売企業は、そこに大きな宣伝効果をすばやく見て取った。とはいえ、TikTokユーザーが広告を見たいと思っているのかという疑問は残ったままだ。ユーザーの圧倒的多数は、楽しんだり楽しませたりするためにTokTokを利用している。TikTok側はその点を考慮して、小規模事業者向けに独自のスペース「TikTok For Business」を提供している。
TikTok For Businessは、編集されない創造的表現のためのプラットフォームだ。過剰に演出されていることが多いインスタグラムとは異なり、TikTokは消費者に自由を与え、事業者には、偽りのないかたちで適切にオーディエンスにリーチするためのチャンスを提供している。
小規模事業者はしばしば、新しいマーケティング手法を機敏に活用するが、それはTikTokも例外ではない。インフルエンサーマーケティング企業オープン・インフルエンス(Open Influence)の共同創業者で最高経営責任者(CEO)も務めるエリック・ダハーン(Eric Dahan)はこう明言する。「リアルで、人間らしくあること。宣伝せず、楽しませること。コンテンツ作成プロセスをアウトソースせず、そのプロセスに関与しよう」
ダハーンは小規模事業者に対し、TikTokでのコンテンツ作成プロセスに「慣れ親しむ」よう強く勧めている。というのも、「最終的には、TikTokのコンテンツがどう作用するのかを学ばなくてはならない」からだ。