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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

リンダ・グラットン

社会や日常にあふれる「分断」を、イノベーションとテクノロジーの力でどう乗り越えていくかをテーマに、三井不動産などがまちづくりを進める柏の葉スマートシティで開催されたオープンイノベーションフォーラム「柏の葉イノベーションフェス2021」。

今回、オープニングトークを飾ったのは、世界的ベストセラー『ライフシフト』の著者であり、ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットンだ。

長いパンデミックから抜け出そうとしている今、日本の企業やそこで働く人々に求められているのはどのようなアプローチなのだろうか──。


──緊急事態宣言が解除された今、一部の企業ではリモートワークを終了し、再度出社を義務付けるという揺れ戻しも起きています。このような動きについては、どうお感じになっているでしょうか。また、パンデミックで加速した働き方への意識の変化を維持していくために、企業はどのようなアプローチが必要なのでしょうか。

私が顧問を務めている欧米の投資銀行でも、すでに社員にオフィスに戻って働くことを義務付けている企業があります。しかし、その企業の社員から「柔軟に働くことができないのなら、給料を上げてくれ」という不満の声が上がってきています。

世界各国で人々が少しずつ元の生活を取り戻してきてはいますが、働き方に対する意識は大きく変化しました。だからこそ、これまで以上に企業は自社の決定に対して、どう責任をとるかが問われています。

イギリスでは、現在約半数の人が新しい仕事を探していると言われています。

「自分はなぜこんな風に暮らしているんだろう」、「もっと違う生き方ができるんじゃないか」と、これまでと違う生き方があることを学んだ人々が、新たなキャリアを模索しているのでしょう。

優秀な人材は、柔軟に働くことのできる環境を選びます。報酬面だけでなく、働き方の柔軟性も、働く場としての判断基準となっています。西欧諸国では企業同士が競い合い、最善な働き方の実現を試みています。

今後は、週に数日オフィスで働く人もいれば、年に数ヶ月仕事を休んで旅に出るという人もいる企業が増えていくのではないでしょうか。

日本企業は、働く環境の柔軟性という点においては他の先進国に遅れをとっています。これはいうまでもなく、働く女性や子育て中の女性にとって大きな不利益になっています。

こうした状況を踏まえた上で、企業は柔軟に働くことのできる環境を整えることに真剣に取り組むべきなのではないでしょうか。

構成=守屋美佳 写真=Getty Images

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