23日に開示された米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ミルトンは19日から23日にかけてニコラの株式約1170万株を売却し、税引き前の額で1億3100万ドル(約151億円)近くを得た。ミルトンは起訴から数日後の8月にも、1億5330万ドル(約177億円)相当のニコラ株式約1680万株を売却していた。
ミルトンは2019年11月から2020年9月にかけて、投資家を欺いてニコラ株を購入させるため自社について虚偽の説明をしたとして、証券詐欺2件と通信詐欺1件で起訴された。マンハッタンの連邦検事は「ニコラの株式に対する投資家の需要をかきたてるため、ミルトンは自身の事業のほぼすべての面についてうそをついた」と指摘した。
ミルトンは7月29日にニューヨーク・マンハッタンの裁判所に出廷し、無罪を主張。1億ドル(約115億円)の保釈金を支払って保釈されている。
24日午前の米株式市場でニコラの株価は前日比3%上昇した。ただ、ミルトンが起訴された7月末以降では約20%下落しており、年初来の下落幅は33%に達している。
フォーブスによると、一連のニコラ株取引に対する税金を差し引いても、ミルトンの資産額は約10億ドル(約1150億円)にのぼると推定される。ただ、ニコラの株価が上場後に急騰していた2020年6月時点の約87億ドル(約1兆円)からは激減している。
ミルトンは2014年にニコラを創業。今回明らかになった株式売却後も、なおニコラの発行済み株式の約12%にあたる5000万株あまりを保有している。