「有害なポジティブさ」が職場にもたらす弊害

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「有害なポジティブさ」とは、現実にあるネガティブな感情を抑圧しようとする行為のことで、次のような言葉が使われる。

・「ポジティブになれ」「元気を出して」「良い側面を見なきゃ」
・「もう考えるのはやめて」「前に進みなさい」
・「何も問題ない」「全てがうまく行く」 
・「男らしくなれ」「ふんばれ」
・「どんなことにも理由がある」
・「これより悪いことはある」「少なくとも〇〇にはならなかった」
・「心配するな」「ストレスを抱えるな」「怒るな」
・「ネガティブなことは言わない」「楽しいことを考えて」

有害なポジティブさは職場では特に弊害となり、自分の気持ちや意見が認められていないという気持ちを生んでしまう。

有害なポジティブさを振りまく人は多くの場合、自分は困っている人を助けて励ましているのだと本気で思い込んでいるが、実際にはその人が抱いているまっとうな感情を無視している。

ネガティブな感情を抑圧すると、その人の心身の健康は大きく損なわれてしまうかもしれない。最悪の場合、信頼関係を損ない、エンゲージメントや生産性に悪影響を与え、企業文化を害することがある。

有害なポジティブさをなくすためには、次のような言葉を使おう。

・「その気持ちは分かる。解決のために私にできることは?」
・「途方に暮れる/疲れる/怒りを感じるのは普通で、問題ない。自分の気持ちに耳を傾けよう。自分のことは自分が一番理解している」
・「あなたが今つらいことは分かっていて、気の毒に思う」
・「自分に優しくして」
・「あなたのためになりたい」
・「もっと聞かせて」
・「それについて話したい?」 
・「解決策を一緒に見つけたい?」

ネガティブさにポジティブさで対処するのではなく、思いやりのある人間的なアプローチをとれば、相手を否定するのではなく評価し、認めることができる。

編集=遠藤宗生

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