オンライン英文校正ツールを提供する米グラマリー(Grammarly)は先ごろ、新たに2億ドル(約230億円)を調達。これにより、同社の評価額は130億ドルとなった。共同創業者のマックス・リトヴィンとアレックス・シェフチェンコは、ビリオネア(保有資産10億ドル超)になったとみられている。
フォーブスは、同じウクライナ出身のプログラマー、ディミトロ・リーデルとともに2009年に同社を設立したリトヴィンとシェフチェンコは、同社株のおよそ35%ずつを保有しており、今回の調達ラウンドにより、それぞれ40億ドル以上を手にしたと推定している(リーデルは、1%を保有)。
グラマリー側はこの推計に異議を唱えているが、具体的なことは何も明らかにしておらず、同社のコミュニケーション担当の責任者はメールで、「グラマリーは非公開会社であり、保有比率や金額は公表しない」と説明している。
グラマリーは2019年10月にも米国のベンチャー・キャピタル、ゼネラル・カタリストやIVPなどから9000万ドルを調達。評価額は10億ドルとされていた。今回の調達ラウンドでは、資産運用会社の英ベイリー・ギフォード、米ブラックロックなども同社に出資している。
起業のきっかけは学生の「盗用」
カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くグラマリーは当初、「センテンスワークス(Sentenceworks)」として創業。英文法やスペルのチェック・修正によって学生たちのライティングを支援するサブスクリプション型のサービスを提供していた。
その後、同社はビジネス向けの機能を追加。主な製品については2015年以降、(基本的なサービスは無料、高度な機能を持つものは有料とする)フリーミアムモデルで提供している。有料版は、月額12~30ドル。
ただ、ウクライナの大学(International Christian University)で出会ったリトヴィンとシェフチェンコによると、グラマリーに関するアイデアはもともと、在学中に立ち上げたマイドロップボックス(MyDropBox)のビジネスから生まれたものだという。