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ラエル・ブレイナード(Alex Wong/Getty Images)

米連邦準備制度理事会(FRB)の副議長にラエル・ブレイナード理事(58)が指名された。ブレイナードはFRBの現執行部メンバーでは気候変動対策に最も積極的な一人として知られる。米経済がコロナ禍から回復するなか、FRBのナンバー2として銀行規制や金融政策の監督に当たることになる。

ジョー・バイデン大統領が22日に発表した。議長にはドナルド・トランプ前大統領の指名で就任したジェローム・パウエル議長(68)の再任を決めた。任期はいずれも2026年初めまで。

ブレイナードは現理事7人のなかで唯一の民主党員。上院で承認されれば、来年1月末に任期が切れるリチャード・クラリダ副議長の後任となる。FRBの女性副議長は、1996〜99年の故アリス・リブリン、バラク・オバマ大統領に指名され、2014〜18年には議長も務めたジャネット・イェレン現財務長官に続き3人目となる。

ブレイナードは、気候変動に関してはFRBの「責務は限られている」とするパウエルなどと比べ、気候変動に対して大胆な姿勢をとっていることから、民主党の革新系からパウエルに代わる議長に推す声が多かった。

ブレイナードは先月、金融危機後、大手金融機関が資本要件を満たしているかどうかを調べるため導入されたストレステスト(健全性審査)に似た、気候対応版ストレステストの青写真について説明。

その際には、米国で過去5年間に発生した気象災害のコストが6300億ドル(約72兆円)と記録的な額にのぼることに言及しながら、気候関連のリスクシナリオに対する金融機関のレジリエンス(耐性)について、体系的な評価を始めることが「重要」になるとの認識を示している。

ハーバード大学でトレーニングを受けた経済学者であるブレイナードは、2010〜13年にはオバマ政権で国際問題担当の財務次官を務め、それ以前にはビル・クリントン大統領の経済顧問も担当した。FRBのなかでは、気候変動だけでなく富の不平等に対する批判でも急先鋒に立っている。

一方、共和党のなかにはブレイナードを警戒する向きもある。上院銀行委員会で共和党トップのパット・トゥーミー上院議員は今月、ブレイナードがFRBは銀行規制の強化を通じて気候変動対策に貢献すべきだとの考えを示したあと、ブレイナードが議長に指名されるとすれば「深刻な懸念」をいだかざるを得ないと牽制している。

編集=江戸伸禎

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