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2021.11.24

大谷翔平の「辞退」を称賛 米国人が好む「ビジネス礼節」とは

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無礼な社員への対応に「年間7週間」


無礼な人の影響は、管理職として現場を見ていると皮膚感覚ではわかるものの、なかなか表に出にくいものだ。しかし、数字で見るとわかりやすい。

フォーチュン1000企業の管理職や幹部は、社員間の人間関係修復や無礼な人の悪影響への対応として年間7週間を費やしていることが、人材派遣会社アカウンテンプスの調査によってわかっている。その7週間は、事業戦略を立てるなど、本来優先すべき活動に使われていないのだ。

では、どうするか。ブーメランが返ってくるような話ではあるが、ここはリーダーが組織のメンバー全員に「丁寧かつ公平に接する」ことが重要だ。それこそが個人・組織ともに成果をあげるための道となる。


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ポラスの調査では、リーダーが礼節を示した態度をとるだけで、企業全体に良い影響を与えていることがわかっている。敬意ある態度をとるリーダーと、そうでないリーダーを比較すると、「積極的に情報共有したい」のは前者で、後者よりも59%多い結果となった。同様に「助言をもらいたい」のも前者が後者よりも72%多く、「積極的に情報を得ようとする」でも57%多い。

部下のすべてが、大谷翔平のような振る舞いができるわけではない。そして、無礼な人が増えれば組織にはマイナスに働く。となれば、まずは、自らの態度を改めるというシンプルから始めてみてはどうだろうか。


上沼祐樹◎編集者、メディアプロデューサー。KADOKAWAでの雑誌編集をはじめ、ミクシィでニュース編集、朝日新聞本社メディアラボで新規事業などに関わる。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科を修了(MBA)し、大学で編集学について教えることも。フットサル関西施設選手権でベスト5(2000年)、サッカー大阪府総合大会で茨木市選抜として優勝(2016年)。

文=上沼祐樹 編集=石井節子

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