11月23日の発表によると、同社は来年4月末までにすべての商品の価格を1.25ドルに引き上げる。1986年の設立以来、全商品を1ドルで販売してきたダラー・ツリーのマイケル・ウィティンスキーCEOは「1ドルの制約を取り除くことは当社にとって歴史的な一歩だ」と声明で述べた。
同社は、今回の価格変更が恒久的なもので「短期的あるいは一時的な市場環境への対応ではない」と述べ、値上げによって品ぞろえの拡大や、従業員の賃金の引き上げを行うとしている。
ダラー・ツリーは、価格の引き上げによる顧客離れを懸念していない。一部の店舗で実施した値上げのテストの結果、顧客の91%が以前と同じ頻度で買い物をすると答えたという。
ニュースサイトCultureBanxによると、ダラー・ツリーの顧客の平均世帯年収は4万ドル(約460万円)かそれ以下という。
ダラー・ツリーは先月、全商品の価格を近日中に値上げし、最大で50セント程度の値上げになる可能性があると述べていた。また、一部の店舗で「ダラー・ツリー・プラス」と呼ばれる数ドルの価格帯の商品を導入した。
米国の10月の消費者物価は前年同月比で6.2%上昇し、31年ぶりの高い伸びとなった。その原因として多くの人は、バイデン大統領が打ち出した1兆9000億ドルの景気刺激策を挙げているが、バイデン政権の誕生の前からインフレは進行していた。