「上井草グリーンハイツ5」の構想
渡邉は建物の再生と並行しての住環境の再生の重要性も訴えている。現在、上井草グリーンハイツに隣接する「上井草グリーンハイツ5」でもリノベーションが進行中であるが、そこでは屋上一部を緑化し、屋上菜園として居住者に開放する計画だ。その先には複数の世代が暮らしやすいようにするための地域社会のグランドデザインとの連動、すなわち行政・交通各社・医療機関などと連携した長期計画を通じて、街全体の活性化に寄与していきたいと考えている。
そして、今回のリノベーションを通して渡邉が実現したかったのは「上井草グリーンハイツのライフスタイルに共感できる人」を多くすることに加え、「かかわる人全てが、判を押したような仕事ではなく、独創的で記憶に残る仕事をするプロジェクトにしたい」ことであった。
それは、リノベーションを通して個々の知性・オリジナリティーを尊重したいという想いを起点とした、施工主も巻き込んでのプロジェクトチームの活性化でもあった。
再生リノベーション後の中庭とインタビューメンバー。写真左から、渡邉憲一:カウエモン(上井草グリーンハイツ)代表取締役、西松みずき:ヤシマ工業常務取締役、臼井徹:ヤシマ工業技術営業部チーフ、武田優之:ヤシマ工業技術営業部 撮影:曽根康司
渡邉 憲一(わたなべ けんいち)◎カウエモン(上井草グリーンハイツ)代表取締役。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学在学中より産経新聞編集局、サンケイスポーツ編集局にて勤務。その後、編集プロダクション、書店、環境調査法人などの勤務を経て、厚生労働省入省。計15年間の勤務のち、家業のマンション管理運営会社代表取締役に就任。
ヤシマ工業
常務取締役 西松 みずき
技術営業部チーフ 臼井 徹
技術営業部 武田 優之
上井草グリーンハイツ インスタグラム:https://www.instagram.com/kamiigusa_green_heights/
インタビュアー:曽根 康司(そね こうじ)◎キャリアインデックス執行役員、社長室長。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程EMBAプログラム修了(MBA)。原宿と下北沢で時計店を経営したのち、インターネット業界に飛び込む。アマゾンジャパン、ヤフーを経て、現職。「焼肉探究集団ヤキニクエスト」メンバーでもあり、全国数百件の焼肉店を食べ歩いている。