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米国心臓病協会誌(JAHA)に発表された研究結果によると、米国では2006~17年、「タコつぼ心筋症(TTS)」や「ストレス性心筋症」とも呼ばれる「ブロークンハート症候群」で緊急治療室に運び込まれる患者が、ほぼ毎年増加し続けていた。

オハイオ州にある治療と研究・教育を行う非営利の医療機関、クリーブランド・クリニックによると、心臓発作が疑われた症例のうち、ブロークンハート症候群と診断されたケースは2%程度にすぎない。だが、実際にはこれを上回る可能性があると指摘されている。

TTSは、感情的なストレスがアドレナリンその他のホルモンの放出を促すことが原因となり、心臓に負担がかかって起きるものだとされる。そのストレスには、愛する人の死や職場での嫌がらせ、さらには「トイレットペーパーの買い占めが起こり、どうしても手に入らない」といったことによるものも含まれる。

一方、サプライズでのバースデーパーティーなど、うれしいことによるショックも、ストレス要因になりうる。ぜんそくの発作や感染症といった、身体的なストレスがTTSを引き起こす場合もある。

体の大半の他の部分と同じように、ホルモンの分泌によって心臓が受ける刺激は、適切なタイミングであれば、良いものとなる。だが、刺激が大きすぎれば、心筋を疲弊させ、機能不全に陥らせるおそれがある。その結果として起きるのが、胸痛、息切れ、発汗、めまいなどの症状だ。

当然ながら、これらは心臓発作を起こしたときにみられる症状と非常によく似ている。だが、TTSは心臓発作とは異なり、大抵の場合、体に受けた永続的な損傷が原因になるものではなく、また、発症によって体に永続的な損傷が残るものでもない。つまり、TTSは、ストレスを管理し、血圧と心拍数を低く保ち、心臓が過度に働く必要がないようにすることで、治療ができる。

ただ、うっ血性心不全、ショック、不整脈(脳卒中の原因になりうる)、さらには死亡など、より深刻な事態に進行する場合もあることには注意が必要だ。

女性に多いのはなぜか?


カリフォルニア州ロサンゼルスのシダーズ・サイナイ医療センターと、南カリフォルニア大学の研究者らが行ったこの研究は、2006~2017年までに報告されたTTSの症例13万5463件を対象に行ったもの。その結果、患者の大半(88.3%)が女性であったことが確認されている。

編集=木内涼子

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