ファストファッション企業の欺瞞
ただし、ここで気になるのは、H&Mのような大手と、レベッカ・ミンコフのようなブランドの取り組みの違いだ。レベッカ・ミンコフのトップスが158ドルであるのに対し、H&MのConsciousシリーズのアイテムは20ドルから40ドル程度で売られている。ファストファッション企業にサプライチェーンの詳細を開示させることは難しい。
レゾナンスのCEOのChristian Gheorgheは、H&Mのような大手は、うわべだけのサステナビリティへの取り組みをアピールしているだけで、実際には環境を悪化させ続けていると断言する。
「H&Mのような企業は、現状のサプライチェーンで地球を破壊することをやめるために、当社のプラットフォームを選択すべきだ」と、Eメールの取材で述べた。もちろん、このような透明性を提供できるのはレゾナンスだけではなく、大手企業が独自のオペレーションを行うことも十分に可能だ。
しかし、ファッション業界のサステナビリティへの取り組みに賛同し、多少の出費を覚悟している消費者にとって、レベッカ・ミンコフとレゾナンスの取り組みは、説得力のあるものと言える。
「近年は、AllBirdsのように創業当初からサステナビリティを前面に押し出したブランドが支持を高めている」とミンコフは話す。レベッカ・ミンコフは、新たなテクノロジーを利用してブランドの価値を高めようとしている。