2020年度に最も多くの留学生を受け入れた上位5大学は以下のとおり。
・ニューヨーク大学:1万7050人
・ノース・イースタン大学:1万5880人
・コロンビア大学:1万5015人
・南カリフォルニア大学:1万4992人
・アリゾナ州立大学:1万3105人
調査結果によると、大半の教育機関は対面授業を再開しつつあるようだ。調査に回答した大学やカレッジのうち、99%は対面授業やハイブリッド型授業を実施している。また、それらの大学やカレッジで学ぶ留学生の65%は、米国で授業を受けている。
教育系メディアInside Higher Educationによると、IIE代表アラン・E・グッドマン(Allan E. Goodman)は、学生が他国の教育機関に移って学ぶ「学生移動」が過去のパンデミック中にも見られたことに触れ、次のように述べている。「パンデミックのさなかでも、学生は移動している。そして、パンデミックが制御されたり終息したりしたときには、私たちが心から願っているような移動の急増が見られる。学生たちは、海外で学ぶという夢を捨てずに、先送りしているからだ」
グッドマンはさらにこう続けた。「最新データは、同じパターンが今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミック後にも起こることと、パンデミック中でも学生の行き来は続くことを予兆している。これからの数年間は、学生の移動が一気に増えるだろう」
こうした楽観的な見方が正しいかどうかはわからない。米国の大学やカレッジは現在、外国人留学生の獲得競争で困難な状況に直面している。それどころか、パンデミックが始まる何年も前から、形勢はすでに不利だった。
米国の大学は、外国人留学生の受け入れに力を入れているいくつかの国々と比べると、授業料が高額だ。また、米国に住む外国人留学生に対する反応については、まだかなりの不安要素が残っている。そうした不安は、トランプ政権時代の移民政策と、気まぐれで敵対的なことの多かった国際政策の名残として、根強く残っているものだ。
外国人留学生が少しずつ減少の一途をたどるこの状況を、どのくらい好転できるのか。そして、それをどのくらい永続できるのか。米国の高等教育には、こうした課題が大きく立ちはだかっている。大学やカレッジがそれぞれ独自に対処することはおそらく無理だろう。連邦政府、高等教育機関、民間企業を巻き込んだ協調戦略によって集中的に取り組み、外国人留学生を米国に呼び戻すことが必要だ。