マスクは「最善」の公衆衛生対策か、コロナ感染を53%削減と推計

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米国などでは、感染者・死者が急増する中でさえ、マスク着用の義務化は多くの人を抗議行動に駆り立て、陰謀論の拡散に拍車をかけ、政治家たちが飛びつきたがる物議を醸す問題となってきた。

マスク着用に関連して高まった緊張はさらに増し、マスクを巡る議論が口論に発展、暴力事件につながるケースも多発。命を落とす人も出ている。米国では一部の州が、各自治体が個別にマスク着用を義務化することを禁じた。

パンデミックは、高いワクチン接種率と、効果的かつ持続可能な公衆衛生対策を継続的に実行することの双方によって、制御可能になると考えられる。研究チームは、接種率が高い集団における公衆衛生対策の有効性を評価するため、今後さらに多くの研究を行う必要があると指摘している。

また、この研究に関連してBMJ誌に寄稿したエディトリアルで、オーストラリア、ボンド大学のポール・グラショー教授(根拠に基づく医療:EBM)らは、Covid-19に対応する中で、公衆衛生対策に関する優れた研究が欠如していたことは、“パンデミックにおける悲劇”の一つだと述べている。

「より多くの、より良い研究が必要」だというグラショー教授らによると、各国がCovid-19に関する研究のために支出している資金のうち、公衆衛生対策の評価に充当されている割合はわずか4%だ。

パンデミックの制御において公衆衛生対策が非常に重要であること、それらの対策に関して「不確実性や論争があること」を考えれば、「これほど投資額が不足していることは、不可解だ」という。

編集=木内涼子

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