アップル関連のニュースサイトiDropNewsは11月18日、アップルが次期iPhoneへのUSB-Cポートの搭載を検討しているとの記事を掲載した。これまで頑なにLightningポートにこだわってきたアップルが、このような動きに出ることは衝撃的だ。
記事の執筆者のLeaksAppleProと名乗る人物は、複数の関係筋からこのリーク情報を入手したと述べている。「アップルは多くの人々が長年望んでいたUSB-Cポートを、iPhoneに搭載する可能性がある。それはProのラインナップになる」
LeaksAppleProは、アップルのこの動きの背後に、3つの主要な動機があると説明した。
1. ProResビデオの転送速度の高速化
アップルは、iPhone13シリーズで高画質の動画撮影を可能にする映像圧縮フォーマットのProResを導入したが、そのファイルサイズは巨大だ。1分間の4Kの ProResビデオの容量は、最大13GBに達し、転送速度の遅いLightningポートではファイル転送に膨大な時間がかかる。しかし、USB-Cの場合はLightningの約10倍の転送速度が実現できる。
2. 規制のプレッシャーの回避
欧州委員会は今年9月に、携帯端末メーカーにUSB-C充電器の使用を強制する司令案を発表したが、米国のバイデン政権も同様な圧力をかける可能性がある。アップルはこの動きに対抗したり、アダプターを同梱するなどの措置で回避することが可能だが、その結果、醜態をさらし、ブランドに大きなダメージを与える可能性がある。
3. 環境面でのメリット
アップルが、仮にドングルを同梱してUSB-Cのルールを回避すれば、不要なアクセサリーを減らすことで環境を保護したいというこれまでの主張と矛盾する。これに対し、USB-Cへの移行が環境面でのメリットになることは明らかだ。
筆者は、ここに4つ目の理由として、USB-Cへの移行が「客観的に見て理にかなったものであること」を加えたいと思っている。ここ数年、アップルはMacBook ProやiPad ProなどのProモデルのポートをUSB-Cに移行してきたが、iPhoneの Proモデルはその例外だった。
もちろん、今回のニュースはリーク情報に基づくものであり、アップルは最終的にはiPhoneを完全なポートレスにすると考えられていることから、USB-Cへの移行説を懐疑的に捉える人も多いだろう。しかし、いずれにしても、iPhone 14シリーズには、デザインの大幅な変更や新たな廉価版モデルの追加、Touch IDの復活といった大きな変化が期待されている。
アップルは今まさに、「Think Different」を実現しようとしているのかもしれない。