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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

トヨタ ランドクルーザー ZX

僕の故郷オーストラリアは、「トヨタ・ランドクルーザーの全世界シェアの1割」ほど占めている。トヨタ本社の調べだ。それほどの人気者なのだ。また、同国の農場経営者の6割以上が、信頼性とコストパフォーマンス抜群のランドクルーザーに乗っているという。1951年に登場した同車は、この70年間で何とトヨタの最もポピュラーなSUVとして1000万台以上販売されてきた。

多くの国々で非常に人気を誇るクルマだからこそ、実はもう2つ「記録」を保持している。ショッキングな記録だ。まず1つは、今日1台を注文しても、納車時期は2023年以降になるということ。その主な原因は「東南アジアから調達する半導体と部品の不足による問題」だとトヨタはいう。

2つ目は、ランドクルーザーは日本で盗難率No1の車両になっていること。存在感満点であることと、絶対壊れない性格を持つランドクルーザーは、ロシア、オーストラリア、アフリカ、中近東、東ヨーロッパ、などで大変な人気者になっているので、しょっちゅう盗まれて海外に密輸されるそうだ。

横から見たランドクルーザー

そういう状況ながら、14年ぶりにカムバックした「キング・オブ・オフロード」は、フルモデルチェンジを経て「300系」が登場。この新型から採用される新プラットフォームは、レクサスLXと米国仕様の「タンドラ」や「セコイア」にも展開される。そのおかげで、先代の200系と比べて20%の重量削減と剛性向上を果たしており、ボンネット、ルーフなどにアルミ化するなどして、先代比で約200kgという軽量化を図っている。それでも、7人乗り仕様「ZX」は2500kgだけどね。さらに運動性能と安全性を向上させるために、サスペンションも完全に改められており、可変レートダンパーや可変レートスタビライザーが加わっている。

しかし、一番の変更点はエンジンではないだろうか。今回、V8エンジンが廃止され、採用されるのはガソリンターボとディーゼルターボ。それにトランスミッションは全くの新品だ。やはり、燃費や環境性能を考慮した415psの3.4リッターV6ガソリン・ツインターボと、新設計の309psの3.3リッターV6ディーゼルのツインターボの割合は70:30だそうだ。また、両方のエンジンにはシフトショックのない程度の高い10速ATが組み合わされている。

やはり、車重2.5トンを超える同車には、V8のトルク感がなければダメという人には、理解して欲しいことがある。今回の新しいガソリンターボとディーゼルターボの両方のエンジンは小型化しているにもかかわらず、加速感は十分ある。どっちもパワー不足という感じはまったくない。でも、より高級感のあるフィーリングを持つのは、振動が少ないガソリン仕様だと思った。しかも、さすがレクサスを作っているトヨタだから、静粛性は存外に優れている。確かに、ディーゼル仕様は低速域ではそれっぽいガラガラ音が聞こえるけど、走行中はその音が抑えられ、気にならなくなる。

後ろから見たランドクルーザー

文=ピーターライオン

トヨタ自動車
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