このような状況に対応するためには、都市同士が協力し合い、お互いにメリットのある方法を模索する必要があります。これは、一年のうちに、複数の都市間を不定期に行き来する人々がいる場合には特に重要です。成功している都市はこのような移住の自由を生かして、協力して「コリドー」を創ることになるでしょう。労働者や従業員に対し、複数の勤務地をパッケージとして提供する都市グループが現れることも考えられます。
都市にとって重要なことは、大企業の本社を誘致することではなく、リモートワーカーやハイブリッドワーカーを惹きつけることに変わってきています。これは、適切なデジタル・インフラに投資するだけではなく、魅力的な生活の質を確保することをも意味します。都市の魅力は、税制や企業の存在感ではなく、生活を豊かにする快適な施設、体験、才能ある人々、そして住民に基づいて決まります。
住民が自ら移住先の都市を選ぶようになった今、都市のリーダーは、独自のパートナーシップ、革新的なテクノロジー、そして包摂的な行政サービスの提供を優先し、住民に選ばれ続ける都市を目指すことが必要です。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)
連載:世界が直面する課題の解決方法
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