デジタル都市の資金調達:新しい収入源とは
オフィスや都市の生活様式が変化する中で、各国政府は、財源不足の危機にあっても効率的にサービス提供する方法を再考しなければなりません。
歴史的に各都市は、地域で発生する収入と移転所得の組み合わせで財源を得てきました。米国では、地域で発生する収入が大半であるのに対し、他国では政府の他階層からの移転所得の方が高い傾向があります。地域収入への依存が高いほど、地域経済の重要性が高まります。州政府や連邦政府からの移転所得への依存が高いほど、国の政治や政策が重視されます。
都市にとっては、新しい収入源の確保が大きな課題となってきます。都市のリーダーたちは、主に遠隔地で働く労働者に雇用税を課す方法を検討する一方で、新たな収入源を活用することができるかもしれません。例えば、ドライバーに交通渋滞税を課すこと、一般道路における路肩駐車の収益化を考えること、またデジタル取引税を課すことによる収入です。
都市は、電力や光熱費などの生活必需品を対象とするブレンデッド・ファイナンス・モデルのように、さまざまな方法でインフラを収益化していくことになるでしょう。官民連携は、今後も都市発展のための資金調達に欠かせない要素であり、政府と民間企業の協力関係が深まれば、行政サービスのデジタル化が促進され、デジタル通貨の基盤となる可能性があります。
都市よ、永遠なれ:デジタルエクイティと生活の質
デジタルに関する課題は、以前からあらゆる都市で取り上げられてきました。新型コロナウイルス感染拡大前には、都市は効率化と最適化を重視していましたが、現在では、新しいハイブリッドワーカーを支援することが、都市の経済発展戦略に影響を与えることは明らかです。その理由は、デジタルエクイティと生活の質が、労働者が移住先を選択する上での重要な要因となってきたからです。
都市行政のリーダーたちは、デジタルへの利用手段がない人々がさらに疎外されないよう、包摂的な技術を最優先しなければなりません。
そのような技術を戦略的に獲得できれば、地域の雇用創出を促進し、地域の所得を向上させ、地域経済を成長させられるため、ニューヨーク市のインターネット・フォー・オール計画(NYC Internet for All plan)のような「すべての人にブロードバンドを」という計画は、これまで以上に重要なものとなります。もちろん、ハイブリッドワーカーの拡大を新たな競争目標と見なす一部の都市にとっては、これが競争の現実となるでしょう。