米国の21州にある計32のNPO(非政府組織)に各75万〜500万ドル(約8600万〜5億7000万円)を提供する。ベゾスが寄付分の資金をどのように手当てするかは公表されていない。
ベゾス・デイ・ワン・ファンドは2018年にベゾスと当時の夫人が20億ドル(約2300億円)の拠出を約束して設立。以来、年に1億ドル(約110億円)近くをホームレス家族の支援団体に寄付している。
カリフォルニア州パサデナにある「ユニオン・ステーション・ホームレス・サービス」のアン・ミスキー最高経営責任者(CEO)は、今回の援助を「たいへん喜んでいる」と話す。
ミスキーによると、17日に500万ドル(約5億5000万円)相当のアマゾンの株式を受け取ることになっており、民間からの援助としてはこれまでで最大になるという。この資金は向こう5年間に、ケースワーカーの増員やホームレス家族の受け入れ施設の改修などに充てる方針だ。
米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ベゾスは先週、アマゾンの株式1万6283株(5800万ドル=約66億円)相当をNPOに寄付していた。アマゾンの広報担当者は寄付先についてのコメントを控えている。
ベゾスは、財産の過半を慈善事業に寄付することを約束する「ギビング・プレッジ」には署名していないが、近年、慈善活動を強化しているようだ。今年は首都ワシントンにあるスミソニアン国立航空宇宙博物館に2億ドル(約230億円)を寄付すると約束したほか、7月下旬に短時間の宇宙飛行から帰還した直後には、政治評論家のバン・ジョーンズとシェフのホセ・アンドレスにそれぞれ1億ドルを贈呈すると発表した。
1997年のアマゾン上場以来、ベゾスは270億ドル(約3兆1000億円)近く相当のアマゾン株を売却している。ただ、ベゾス・デイ・ワン・ファンドの基金への拠出が現金の提供かアマゾン株の譲渡かは明らかにしていない。
ベゾス・デイ・ワン・ファンドはホームレス家族への支援とは別に、モンテッソーリ教育を取り入れた授業料無料のプリスクールのネットワークを恵まれない地域で構築することにも取り組んでいる。
フォーブスによるとベゾスは推定資産額2055億ドル(約23兆5000億円)で世界2位の富豪。