バイデン政権は北京五輪で「外交的ボイコット」を行うべき

Lintao Zhang/Getty Images


バイデン政権は、すでに9カ月以上も対応を先送りしている。今となっては、IOCに対して北京五輪を延期するよう圧力をかけ(東京2020五輪はパンデミックの発生を受け、本来の開会式のわずか4カ月前に延期が決まった)、人権を尊重する開催国を新たに選出するよう迫ることはもはや不可能だろう。しかし、外交的ボイコットを発表する時間的な余裕はまだある。

外交的ボイコットには、重要な利点がいくつかある。米国選手の参加と安全の確保に必要な人々を除いて、外交使節団全員が参加を拒めば、中国政府による残忍な人権侵害を決して容認しないという姿勢を暗に示すことができる。

選手を含めた完全なボイコットとは異なり、外交的ボイコットなら、五輪出場を目指して全力で取り組んできた米国のアスリートたちを巻き込まずに済む。米国の方針の一貫性も維持できるし、2021年3月に米国、欧州連合(EU)、カナダ、英国が足並みをそろえて発動させた、ウイグル族の扱いをめぐる制裁とも矛盾しない。

外交的ボイコットは、北京五輪を延期して開催国を変更するという選択肢の次善の策であり、現段階では政治的に最も実現可能な方法でもある。

バイデン政権が発足したとき、トランプ前政権は、中国政府がウイグル族に対して残虐行為を行っていると認定するという置き土産を残した。望みを託したと言ってもいいだろう。あれは、ウイグル族に対する中国政府の不当な扱いはもちろん、中国における人権問題全般に立ち向かうべく行動を起こせという呼びかけであった。バイデン政権は今こそ、同盟諸国とともに、北京2022年五輪を外交的にボイコットすると断言するべきだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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