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──チーム内で「一致団結」していく為に必要な事とは?

同じチーム内であっても「日本人としてチーム内の外国人には負けたくない」といった、個人プレイヤーとしての戦闘心を持った時期もありましたが、南アフリカを倒して勝利を皆で勝ち取った時に100%わかり合えました。体と体がぶつかり合って試合をするラグビーは、非常にフィジカルなスポーツです。だからこそ、自分の体の動きひとつで「こいつ、逃げたな」と一瞬で皆に知られてしまう。信用される選手というのは、「とにかく体を張り続ける人」。そして、過酷なトレーニング後にも「ネガティブな発言をしない人」が、皆から認められます。この2点は絶対条件で、これは、会社でも通じるものがあると思います。

──「大きなリスクに立ち向かっていく術」となるヒントをお願いします。

大前提である「技術」は言うまでもないのですが、一番大事なのは、その組織を「好きになる事」です。ここで自分が逃げたら、仲間が苦しいポジションに置かれて愛するチームが負けてしまう、という考えに及ばないと、なかなか自分の体は張れないものです。

──それでは、モチベーションを高く保つ秘訣は何でしょうか。

大きな目標や長期的な目標を持つ事は大事だと理解はしています。ところが、コロナがこれだけ長く世界で蔓延るとは、誰も予想していなかった。つまり、たとえ長期的なビジョンを持っていても、その通りにいくとは限らない。

左右されないものは「自分自身」と「与えられた目の前の時間」です。あまり長期的なビジョンを見過ぎず、与えられた環境を確実にこなしていくのが、長い目で見た場合、「強い人間」であり「強い企業」を作っていくのではないかと考えています。


(c) 2021 BLUEREVS LTD.

僕の座右の銘は「日々の努力、夢への近道」です。キックを蹴る時は、観客が5万人いようが6万人いようが1人であろうが、自分自身のメンタリティはほとんど変わりません。何故かというと、観客の人数は自分でコントロール出来ないからです。試合で一番大きく左右されるのは「風の向き」です。しかし、ボールを置く角度や歩数や体重移動は自分でコントロール出来る。つまり、「自分を見失なわず、目の前の環境に集中する事がモチベーションを高く保つ秘訣」なのではないでしょうか。

勿論、最初からこういった考え方だった訳ではなくて、周囲に左右された時代もあります(笑)。「経験」を積んだ時間の中で、自分にとって必要な事がやっと見えてきました。例えばキックについて10人からコーチングを受けた場合、すべてが自分に当てはまるはずがない。相手が提案してくれた中から自分に合っている部分を取り入れていけば、アドバイスが本当に自分のものになるはずです。

過去の時間は戻らない。未来への切り替えこそが大切


──集中力の高め方を教えて下さい。

大事な試合でキックを決められる選手は、とかくメンタルが強いと言われていますが、キックが決まるのはあくまで結果。キックを外してしまったとしても試合は80分あるので、いかに早く自分の気持ちをリカバリーさせるかが大事になってくる。

過去は決して戻って来ないから、次はどうするかと切り替えるマインドを早く持つ事が、次の集中力に繋がっていくのだと思います。

インタビュー・編集=谷本有香 文=中村麻美 企画コーディネート=宇藤智子

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