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──ラグビーの試合を通して、企業でも活かせそうな「日本が勝つ要素、秘訣」を解説していただきたいです。

フォーブスを読まれていらっしゃる方は、大企業の方が多いのかなと推察するのですが。ラグビー日本代表で例えるなら、企業の日本代表みたいな。

自分が現役時代、日本代表の外国人選手が、日本人より日本らしい精神や知識を持っていると知った時、激しくジェラシーを覚えました。日本人でありながら、何でこんな事を知らなったのかと、彼らから刺激をもらう事も多かった。要は、「自分が持っている部分と、相手が持っている部分をお互いに合致させてお互いを認め合っていく」のが、最も効果的なのかなと思います。

──企業での日本式・終身雇用制度という考え方がなくなって久しいですが、ラグビーにおいても、多くの外国人選手が日本代表として活躍されています。それについて、どのようにお考えですか。

保守的になっては、組織は大きくならないと思います。出ていく人と、入ってくる人。それぞれが存在する事で、良い循環が生まれるのではないでしょうか。

ハンディキャップの攻略法は「メンタル+フィジカル+分析力」



Photo by Alexandre Dimou/Icon Sport via Getty Images

──日本人の体格のハンディキャップをどういった所でカバーされてきましたか。

2015年以前のワールドカップの日本の成績は、1勝22敗1引き分けでした。ワーストスコアも持っていて... それまで負け試合ばかりを見てきたので、「どうせ世界大会で戦っても勝てないよな」と半ば諦めていました。

ところが、メンタリティから変えていかなくては駄目だと考えるエディー・ジョーンズヘッドコーチの出現で、皆の意識が変わりました。先ず、苦手としていたフィジカル面を徹底的に鍛えた。具体的には、長所を伸ばす方式で。メンタル面については、「100回試合したら100回負ける」という考えから、「100回試合したら10回は勝てる」というポジティブな意識に変えていった。そうすると、勝てるんじゃないかという士気が高まってくるわけです。

その一方で、相手の長所と短所を研究し尽くす。すると細分化されたデータの分析から、漠然と強いと思っていた相手が、それほど強くないんじゃないかと。結果、苦手意識が薄くなるわけです。そういった「分析力」によって、勝利が近寄ってきた経験があります。

──そういった「データ」と「分析力」について、詳しくお聞かせ下さい。

現役時代、ハードなトレーニングを続けてきた自負があるのですが、実はハード=耐えられないほど辛いトレーニングではない。強度が非常に高いトレーニングをマックス90分間で4回行う。だらだらやらないで効率重視で行う事が大切。

また、GPSを背中に背負って走ると、その選手がどれだけ走ったかやスピードチェンジやタックル回数などが「データ」として出ます。すると指揮官がそのデータを見て、選手が「次回からやるべき課題」が浮き上がってくるわけです。つまり、「今回これだけしか走ってない」とネガティブにデータを捉えるのではなく、「次回、もう少し走ろう」と切り替える、ポジティブ・マインドにスイッチするのが、データを活用する利点だと思います。

インタビュー・編集=谷本有香 文=中村麻美 企画コーディネート=宇藤智子

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