ごみを商品に変え販売 企業の間で広まる取り組み

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米国の消費者は平均で毎日2キロ、1年間で745キロのごみを出している。その多くは包装とプラスチックによるものだ。加えて、人々が日々購入する製品の製造過程で出る廃棄物もある。

消費者はジレンマに直面している。環境には配慮したいが、購入する商品が持続可能で倫理的に作られていることを一つ一つ確認する時間はない。あるアンケート調査では、消費者の65%がサステナブルで目的意識のある企業の商品を購入したいと答えたが、それを実践していたのはわずか26%だった。この差が生じている大きな要因としては、最良の商品を見つけるために必要な時間と労力がある。

そうした問題を解決する役割を果たすのが企業だ。消費者は企業に対し、責任ある方法で商品を生産し、環境への影響を抑えつつ、必要な商品を簡単に購入できるようにすることを求めている。企業の間では、独創的な方法でごみやリサイクル品を新たな商品に変える取り組みが広まっている。

中古品の再販売


米国のリセール(再販売)市場は、2025年までに640億ドル(約7兆3000億円)に拡大する見通しだ。2019年の成長率は小売市場全体の25倍以上だった。この勢いに乗じて独自の中古品販売サービスを立ち上げる企業が増えている。

カナダのスポーツ衣料品企業ルルレモン・アスレティカは最近、状態の良い自社製品をギフトカードと交換できる下取りサービスを一部店舗で開始した。返却された商品は、同社の「ライク・ニュー(新品同然)」プログラムを通して、ネット上で割引販売される。回収品は全て洗浄され、品質基準を満たさないものはリサイクルされる。

またナイキも、状態の良い中古靴の下取りを一部店舗で始めている。希少なナイキ製シューズには大きな需要がある。返却された靴は洗浄され、割引価格で再販売される。

リーバイスは2019年に「セカンドハンド」と呼ばれる買い戻しサービスを開始。状態の良いジーンズなどの衣料品とギフトカードを交換できるもので、返却された商品は洗浄され、ネット上で再販売される。パタゴニアやノースフェイスなどの衣料品メーカーも、数年前から商品のリセールを行っている。家具販売のイケアさえも、不要な家具を買い戻して割引価格で販売している。
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編集=遠藤宗生

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