米国がインフルエンザの季節に 厳しい冬の可能性を専門家が警告

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米国の昨年冬のインフルエンザの患者数は非常に少なかったものの、専門家らは今年のインフルエンザの流行期が通常と比べてさらに深刻なものとなる可能性があると警鐘を鳴らしている。

米疾病対策センター(CDC)によると、2020年から21年のインフルエンザの流行期に米国で確認されたインフルエンザの症例数は2000件以下だった。これに対し、前年の症例数は少なくとも3900万人に上ると推測されている。2020年~21年の冬にインフルエンザで死亡したことが記録された小児はわずか1人だったが、前年は199人だった。

ジョン・ホプキンズ・ヘルス・システム(Johns Hopkins Health System)の感染症予防部門上級ディレクターを務める米ジョンズ・ホプキンズ大学のリサ・マラガキス准教授(医学)は「私たちは2020年~21年のインフルエンザの流行期が深刻なものになると考えていたが、それは実現しなかった」と述べた。

「昨年は非常に多くの人が新型コロナウイルス感染症に対する予防策を取っていて、それがインフルエンザの感染率も低下させたことが要因である可能性が高い」(マラガキス)

マラガキスは、昨年のインフルエンザの症例数が非常に少ないことから、今年の冬に流行するインフルエンザ株に対して免疫を持っている人がより少ない可能性があると語っている。2020年のこの時期と比べて新型コロナウイルス感染症に対する警戒がはるかに緩んでいることも考慮すれば、インフルエンザは今シーズン、深刻な状況をもたらす可能性がある。

米国では通常、1年に約1万2000人~5万6000人がインフルエンザで死亡している。

熱や頭痛、体の痛み、乾いた咳(せき)、喉の痛み、倦怠(けんたい)感など、インフルエンザの症状の一部は新型コロナウイルス感染症と重複している。しかしどちらも空気中に浮遊する呼吸器系ウイルスであることから、新型コロナウイルス感染症に対する予防策はありがたいことにインフルエンザの予防にも役立つものだ。

マラガキスは「両方の病気から身を守るため、同じ予防策が使える。これには頻繁に手を洗うことやマスクの着用、対人距離を保つこと、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの両方のワクチンを接種することなどがある」と述べた。
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翻訳・編集=出田静

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