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2021.11.21

ディーゼルエンジン最大手「カミンズ」の気候変動との戦い

Jonathan Weiss / Shutterstock.com


大型トラックには燃料電池が適している


開発が遅れているテスラのEVトラック「セミ」は、重量が数トンもあるバッテリーを搭載しているが、メーカー各社は、1日に数百キロ走行する大型トラックにはパワートレインがより軽く、ディーゼル車と同等の時間で燃料が充填できる燃料電池の方が適していると考えている。

カミンズは、長い距離を移動する必要のない小型で軽量な車両にバッテリーは適しているが、遠隔地に住んでいる人や、大型車を必要とする人には実用的でないと考えている。

「持ち運びが可能な水素に比べ、バッテリー充電ステーションを全ての農場やあらゆる用途に導入するには驚くほど高いコストが掛かる。反対に、自宅で充電ができる場合には、水素を持ち運ぶのは効率が悪い」とリネバルガーは言う。

COP26の期間中、カミンズは大規模な商用フリートの運営企業と協議した。これらの企業はよりサステナブルな運営を目指しているが、実用面において課題に直面しているという。

カミンズのニューパワー・セグメント(New Power Segment)部門でプレジデントを務めるエイミー・デイビス(Amy Davis)は、次のように話す。

「このカンファレンスには大手フリート業者が数多く参加した。彼らのサステナビリティ推進責任者からは、“これらの目標をどうやって達成するのか? より早く目標を達成するためにカミンズはどのような支援をしてくれるのか?”といった質問を受けた。 “今の充電設備では、3台のトラックを同時に充電することすらできない”といった声もあったが、このような場合に、燃料電池ドライブトレインがバッテリーを補完できる」

電動パワートレインの技術は進化しているが、短期的には他の選択肢を見落とすべきではないとリネバルガーは指摘した。

「我々に残された時間は少ない。だからこそ、内燃機関向けには、今ある低炭素燃料や天然ガス、再生可能天然ガスの利用を開始するべきだ。やるべきことは簡単だ。大気中に炭素を放出したら、回収することができないため、できることは全てやるべきだ」とリネバルガーは述べた。

編集=上田裕資

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