レスリー・キーに聞く。D&Iは本当に日本で根付くのか?

今よりずっと欧米がファッションのメインストリームだった1990年代、アジア人として初めて、ファッション誌『VOGUE』のフォトグラファーとして登用された写真家のレスリー・キーさん。彼は今、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をテーマに精力的に活動している。

11月3日には、GAPのダイバーシティプロジェクトの一環として、東京と大阪でポートレート展「This is Me〜Rainbow〜」がスタート。

翌4日からは、羽田空港の「フライトデッキトーキョー」で、およそ100人のセレブを被写体とした写真展「WE ARE THE LOVE」が始まった。羽田空港のSDGsの取り組み「HANEDA ダイバーシティ&インクルージョン」の一環で、「人種、国籍、身体機能を超えた、ダイバーシティの素晴らしさ」を国内外に向けて発信している。

さらに同日からBMWの渋谷ジャック企画「THE iX SHIBUYA WALL JACK」にも作品を提供。多様性の街・渋谷のあちらこちらの壁面を彩っている。さらに12月下旬には、新写真集『We Are The Love』を発売予定だ。

これらすべての企画が、ダイバーシティをテーマとしている。

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人種、性別、国籍を越え、愛に満ち溢れた約150名の著名人の写真展「WE ARE THE LOVE」

シンガポール出身のレスリー・キーさんは21歳で来日。現在は東京をベースとしながら、世界を舞台に活躍するフォトグラファーだ。

彼はまた、LGBTQを体現するアーティストのひとりでもある。2019年に、夫であるジョシュア・ヴィンセント・オッグさんと婚約し、翌年9月に渋谷区で同性同士の婚姻関係を認める「パートナーシップ証明書」を取得。渋谷区のパートナーシップ制度をつかった50組目のカップルとなった。同年11月22日(いい夫婦の日)には、ふたりで東京アメリカンクラブでウェディングパーティを開催し、話題となった。

「HANEDA ダイバーシティ&インクルージョン」の会場で、日本のダイバーシティ推進の現状について、考えを聞いた。
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文=松永裕司(Forbes JAPAN オフィシャルコラムニスト)

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