ビジネス

2021.11.21

医療関連の事務手続き自動化で、米国で急成長を遂げるメダリオン

Jose Luis Pelaez Inc/Getty Images

医療サービスにまつわる事務手続きは、決して魅力的なトピックではない。それは、デレク・ロー(Derek Lo)も認めるところだ。だが、デジタルヘルス系のスタートアップにとっては、これが不可欠な業務であることも事実だ。

米国の健康保険会社や医療機関が負担している事務手続きのコストは、年間8000億ドルにも達する。医療関連のスタートアップにとって、医師が複数の州で免許を取得したり、保険会社から支払いを受けたりするための手続きもおぼつかないようでは、事業規模の拡大や売上の創出も不可能だ。そこで、自動化の活用によってこれらの煩雑な手続きの効率化を目指すのが、ローが率いるメダリオン(Medallion)だ。

「お金を稼ぐ前に、まずは事務手続きの問題を解決しなければならない」と語るローは現在26歳。カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置くメダリオンの創業者で、現在は最高経営責任者(CEO)を務めている。ローは自社のサービスについて、「ビタミンのような間接的に効力を発揮するものではなく、痛いところに直接効く、まさに鎮痛剤だ」と描写する。

2020年3月のメダリオン創業以来、同社のソフトウェアを採用したスタートアップが100社近くに達しているのも、まさにローが指摘した理由からだ。ロー(Ro)、ファイアフライ・ヘルス(Firefly Health)、ジンジャー(Ginger)、エデン・ヘルス(Eden Health)などの企業が、メダリオンとすでに契約を結んでいる。そして11月3日、メダリオンはシリーズBラウンドで3000万ドルを調達したと発表した。セコイア・キャピタルが主導したこのラウンドで、メダリオンの評価額は2億ドルに達した。

今回のラウンドにはオプタム・ベンチャーズ(Optum Ventures)も参加したほか、オスカー・ヘルスの共同創業者兼CEOのマリオ・シュロッサー、シティブロックの共同創業者兼CEOのアイヤ・ロム(Iyah Romm)、ストライプの最高製品責任者ウィル・ゲイブリック(Will Gaybrick)などの投資家も名を連ねた。メダリオンはこれまでに、総額5000万ドルの資金を調達している。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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