弱みをカバーするチャレンジングな企画
どんなことにも弱みはある。そしてたいていの場合、弱みと強みは表裏でもある。イケアで言えば、強みは、広大な店舗面積を有して大量の家具を展示することで、客はさまざまな種類から商品を選択し、リーズナブルな価格で購入することができることだろう。その強みを補強するために、前述のように居心地の良いレストランも併設されている。
しかし、この強みは同時に、店に行くのに時間がかかることから来店頻度が減り、客数が伸び悩むという弱みも抱えることとなる。「イケア店舗までの移動時間」を「通貨」に変えるというチャレンジングな企画は、見事な発想の転換だ。
そして、さまざまな商品の値札に「時間通貨」も掲示し、レジの係員が常に「キャッシュorカードorユアタイム?」と尋ねるなど、その発想をさらに徹底することで、PR価値も増して、来店客数31%増という素晴らしい結果にも繋がった。
このドバイイケアの企画は、なによりも、なんだか楽しい。もし、日本でも行うことになれば、筆者自身もひさしぶりにイケアを訪れてみようかなと思ったりもした。