進学、五輪出場、夢の実現を目指すスキー選手アイリーン・グー


私たちはまだ、グーのゲレンデでの実力をわずかしか目にしていない。彼女は、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアの3種目を戦う数少ないフリースタイルスキー選手のひとりである。しかし、わずかしか目にしていないとはいえ、その実力は圧巻だ。

グーは、2021年2月に開催されたエキストリームスポーツの大会「X Games」に初出場し、たった22時間で3つのメダルを獲得した。デビュー戦でメダル3つを手にした女子選手は、X Games史上初だ。

グーは、スーパーパイプでは、平昌五輪の金メダリストであるカナダ人選手キャシー・シャープを破り、X Gamesで金メダルを獲得した初の中国系選手にもなった。さらに、スロープスタイルでも金メダル、ビッグエアでは銅メダルを獲得。3日間の大会開催中に手にした3個というメダル数は、中国がこれまでに獲得したX Gamesメダル総数の倍以上になる。

グーには、エナジードリンクのレッドブルと、スキーメーカーのファクション(Faction)がスポンサーについている。フリースキーを始めたのは2006年だったが、プロに転向したのは高校卒業後の2020年だ。そしていま、激しい争いが繰り広げられる五輪代表選考シーズンが始まっており、グーはトレーニングとリカバリーをうまく調整しながら体調を維持し、パフォーマンスのピークを2月の本大会に合わせなくてはならない。

「もちろん、試合やトレーニングの直前には、身体と精神を『ゾーン』状態に持って行くための時間を取るようにしています。私の考えでは、スポーツにおいては、心と体は同じくらい重要です」とグーは話す。

身体面のケアでは、セラガンを使ったさまざまなエクササイズに取り組んでおり、筋肉が適切に働くよう、十分に活性化させている。精神面のケアでは、ごく限定された条件を中心に、イメージトレーニングをしっかり行う。

セラボディは2021年2月現在、世界全体で126の特許を取得しており、ほかにも138件について特許出願中だ。

現在は、北京五輪の代表選手選考の真っ最中で、米国を拠点とするフリースタイルスキーのスロープスタイルとハーフパイプの選手にとっては、12月にコロラド州で開催される「DEW TOUR」が重要な試合になる。

グーは、五輪への出場を目指して、本格的なトレーニングを開始した。彼女のモチベーションは、プロスキー選手を目指す世界中の少女、とりわけ中国の少女たちを勇気づけることだ。

「私がベストを尽くしてトレーニングをしているのは、女性のスポーツ、女性のフリースタイルスキーを後押しするためです。また、安全についても心がけています。それも、この上なく重要なことですから」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事