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2021.11.15 16:30

韓国の暗号通貨業界初のビリオネア、取引所Upbitの創業者たち

ドゥナムの創業者のソン・チヒョン / (C)Dunamu

ドゥナムの創業者のソン・チヒョン / (C)Dunamu

韓国で圧倒的シェアを誇る暗号通貨取引所の「アップビット(Upbit)」を運営するドゥナム社の評価額は、約9カ月の間に21倍に急上昇した。これにより、同社の共同創業者2人が、韓国の暗号通貨業界出身の初めてのビリオネアとなった。

KポップのスーパーグループBTSの所属事務所のハイブ(Hybe)は先日、ドゥナムの株式2.5%を約4億ドルで購入したが、その際のドゥナムの評価額は170億ドル(約1兆9350億円)とされた。これを受けて、ドゥナムの約25%を保有する創業者のソン・チヒョン(42)と、13%を保有する副社長のキム・ヒョンニョン(45)の保有資産は10億ドルを突破した。

フォーブスは、ソンとキムの持ち株の価値をぞれぞれ、42億ドルと20億ドルと試算している(非上場企業の株式は10%のディスカウントを加えて評価している)。

ドゥナムの評価額は、今年2月にソウルの投資会社Hanwha Investment & Securitiesが、クアルコムが保有していた同社の株式6%を約5000万ドルで買い取った際に8億ドルとされていた(クアルコムは2015年にドゥナムに出資していた)。

さらに、今年9月にドゥナムは、シリコンバレーのAltos Venturesなどの投資家から8500万ドルを調達したが、その際の評価額は約87億ドルだった。

アップビットは、韓国の厳しい規制環境を生き抜いた数少ない暗号通貨取引所のひとつだ。現地の規制当局は、ハッキングを防止し不正な取引を排除するために、取引所に対し9月24日までにセキュリティ機関の証明書を取得することや、銀行とのパートナーシップを締結することを要求した。その結果、数十の取引所が閉鎖に追い込まれていた。

BTSの所属事務所のハイブは、ドゥナムと合弁会社を設立し、メンバーのNFTカードを販売しようとしている。ハイブの創業者のパン・シヒョクは、「我々は、ドゥナムと共同で音楽ファンのエクスペリエンスを拡大し、世界の音楽業界とフィンテック業界に新たなイノベーションを導入する」と述べている。

ソウルの江南に拠点を置くドゥナムは、2012年の創業当初はニュースの配信事業を行っていたが、2017年に暗号通貨取引所のアップビットを立ち上げた。現在のアップビットのユーザー数は840万人で、総取引量は2.5兆ドルとされている。同社の初期からの出資元のカカオベンチャーズによると、韓国内の暗号通貨取引の80%がアップビットを通じて行われているという。

ソンはドゥナムを創業する以前に、モバイル決済会社のDanalに勤務していた。彼は、ソウル大学でコンピュータサイエンスと経済学の学士号を取得していた。キムも、ソウル大学で農業経済学を学んだ後、Danalでソンと一緒に働いていた。

編集=上田裕資

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