カナダのウォータールーで育ったロドリゲスは、幼少の頃から発明家を志し、まだ中学生だった2009年にロボットコンテストで賞を受賞した。その後、ウォータールー大学に進んだ彼が2016年に設立したエンバークは、今年6月にSPAC(特別買収目的会社)の「ノーザンジェネシス・アクイジション・コープII」と評価額52億ドルで合併し、上場を果たした。
「上場は事業を拡大するための手段の一つにすぎない。僕らの目標は、米国のすべてのトラックが、自動運転で目的地に向かえるようにすることだ」とロドリゲスは語る。
ロドリゲスは、大学の同級生のブランドン・モックと共に自動運転のゴルフカートを作った後に、エンバークを設立した。その後、ピーター・ティールが大学を中退して起業する若者を支援する「ティール・フェローシップ」に選ばれてウォータールー大学を中退し、サンフランシスコに移住した。
2019年に、2人は4700万ドルを調達した直後にフォーブスの「30アンダー30」に選ばれていた。
26歳で上場企業のCEOになったロドリゲスの保有資産を、フォーブスは5億ドル(約570億円)と試算している。しかし、彼は豪邸や高級車や現代アートには関心がなく、2人のルームメイトと暮らし、アマゾンで購入した折りたたみテーブルで仕事をし、自転車で移動している。ロドリゲスは、インスタグラムのアカウントを持っていない。
彼の所有物で、高価なものというと、ペロトンの屋内フィットネスマシンと、出資元のセコイア・キャピタルからシリーズBの記念に贈られたレザージャケットぐらいだという。
「僕はエンバークの事業に専念している。5人で会社を立ち上げた頃に、自分の生き方が間違ってるなんて思わなかったし、今もたいして変わっていない」