アウディが最近出しているe-tronやe-tronスポーツバックのEV車両も、それらのセグメントの中でダントツNo.1のスタイリングを持っていると言える。しかし、正直なところ、このRSはさらに上の次元に到達している。外観を見るだけで、こんなに楽しめることはなかなかない。これは近代の工業デザインの絶品と呼べるだろう。EVだから、普通のガソリン車とは違って空気を通すグリルが必要がないので、ノーズの部分はソリッドなハニコームっぽいデザインに仕上がっている。ボンネットの中の部分は「えぐり」のあるスタイリングも優秀だと思う。
色気溢れる外観の絶賛を続けよう。ヨダレが出るほどのシルエットやリアのホイールアーチの膨らみ、巨大な21インチのホイールとボディの絶妙なプロポーションがEVのデザインのジャンルを完全にリードしている。そのボディ下の構造が鍵を握っている。
RSとベースグレードのe-tron GTは、ポルシェとの共同開発によって生まれた。つまり、あの革命的なEVスーパーカーであるポルシェ・タイカンと同様のプラットフォームやパワートレーンを採用している。だから、5ドアのRS がタイカンと同様に最も車高が低いEVになっているし、ホイールも空気抵抗を考慮して作られたデザインになっている。また軽量化のために、ドアミラーもルーフもカーボンファイバーになっている。なんか嫌な部分がない。ちょっと待った。この後、後部席については少しモノ申したいし、1799万円という価格は少し嫌かも(笑)。
内装も、外観のデザインセンスと質感に負けず、素晴らしい。ステッチ入りの本革、カーボンファイバー、アルミ、アルカンタラがふんだんに使われている。RS仕様の特別なシートは座り心地が良いおかげで、自分に合った完璧なドライビング・ポジションがすぐ取れる。コックピットは全体的にスポーティな雰囲気を出しており、フルデジタルメーターとセンターコンソールの巨大なタッチスクリーンは品が良く、ちょうど良いサイズになっていることはありがたい。インフォテーンメントのメニューは操作しやすいし、グラフィックスは美しい。僕が凄く気に入ったのは、シートヒーター、エアコンなどの操作は全て画面上のボタンではなく、実在のスイッチを押すことだ。