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2021.11.15

大物でなく「本物」を生む。起業家の挑戦を支える社会へ


挑戦ができる人材を育てるには?


いくつになっても、いつでもチャレンジはできます。30歳以下で人生のテーマを見つけて取り組んでいる方もいれば、定年退職をしてから自分の好きなことをやる方もいらっしゃいます。やりたいことがあれば人間は自ずと努力をするものですから、年齢なんて関係なしに多くの人に「好きなこと」や「燃えること」にチャレンジしてほしいです。

そして、そういった挑戦ができる人材を育てるためには、「自分がやりたいこと」を見つけるためのトレーニングをすることも必要でしょう。人はやりたいことを見つければ、その実現に向けて努力するものですから、「正解は何か」「正解を早く出すためにはどうすればいいか」よりも大切なことかもしれません。

だからこそ、これからの未来を担う子どもたちには、早めに自分の好きなことを見つけて、踏み出せる環境を整えてあげることが大事だと思います。

そしてそれが整った後に、初めてお金の話が出てきます。「好きなこと」を実現するために経済的なリスクをどう担保するのか、という話です。やりたいことを実現するための「一歩」を踏み出すときに、やっと「お金」の役割が出てくるんですね。

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「大物」よりも「本物」の起業家に


当社の福岡オフィスには「Turtle beats rabbit(カメはウサギに勝つ)」という文言が掲げてあります。

学生時代の仲間や新卒の時の同期の中で、社会に出て数年で大きく花開く人もいるでしょう。けれど、焦る必要はありません。僕はよく「カメのようになれ」と話しています。

人生は5年10年の勝負ではないですし、最初の数年間なんて関係ありません。最終的には、自分のやるべきことを30年40年と続けられるカメのような人間が一番強いと思っています。

また、僕は社会起業家たちにはよく「大物よりも本物になろう」とも話します。ビジネスを大きく育てていくことも大切ではありますが、自分の問題意識に対してひたむきに向き合い、規模の拡大ではなく、理想の社会の実現に向けて信念をもってやり続けていく。そのような人たちが「本物」なのだと思っています。そして、これからの起業家のロールモデルになっていくと思います。

“これからの時代”とは、「豊かさ」をモノで測るのではなく、「こころが満たされているか」で測る時代です。戦後のモノ不足の時代は、経済をボトムアップしていくことが企業の役割でしたが、現在の日本ではモノが飽和状態で、衣食住も不足していないけれど“不幸せ”という状態があり、これを解決していける起業家が必要です。

つまり、一人ひとりにとって「豊かさ」の基準は異なっているからこそ、求められている起業家も様々です。だからこそ、自分の道を極めて「本物」を目指してほしいと考えています。今後、多くの人に影響を与えるようなロールモデルがでてくることを楽しみに、そしてそこに少しでも貢献できるように自分も努力していきたいと思っています。

文=小谷紘友 取材・編集=田中友梨 撮影=山田大輔

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