ウッドストックの再来なるか、NFT.NYCという震源地


NFT作品のオーナーたちが集まるミートアップ


「コミュニティ」を感じるシーンは他にもあった。同じNFT作品を有するもの同士が集まるミートアップも積極的に行われていた。猿の作品を展開する「Board Ape Yacht Club」はオーナーだけが参加できるパーティーや販売会などを行っており、街中にはBAYCのトレーナーを着た人達をよく見かけ、フィジカルな世界(NFT界隈の言葉でいうとIn Real Life [IRL] )にもNFTの影響が浸透しているシーンを多数目撃した。

私自身も「MeebitsDAO」の創業メンバーとして参加しているので、自分のアイコンを使ったAR写真をツイッターやMeebitsDAOメンバーのコミュニティに共有したり、日本人の8歳のアーティストが作った「Zombie Zoo」のオーナーが集まるミートアップにも参加した。

「Zombie Zoo」のミートアップにはニューヨーク、ロサンゼルス、モントリオールからオーナーたちが参加したのだが、Discord上でコミュニケーションをし、同じNFT作品を所有するもの同士なので、初対面にもかかわらず最初から打ち解けて話を進めていけるのでとても居心地が良かった。Zombie Zooの作品をなぜ購入したのか聞いてみると、8歳の日本人の男の子が作っていることに興味を持ったという意見や、作品そのものがキュートで大好き、などとの答えが来た。蜂の作品を持っているロサンゼルスの写真家は「色使いと構図が最高だ。キャンバス上に小さく蜂が描かれてその背景が真赤に染められている、この大胆さが良い!」と絶賛をしていた。



NFTは所有物をまとめて表現できるもの


NFTが高額で取引されているニュースを見て「NFT=投機目的」とみる人もいるとは思うが、実際には違う。作品そのものに惚れることもあれば、そのコミュニティに属している喜びを得ることもできる。一つの自己表現の場とも言えるだろう。

シリコンバレーの投資家のビル・タイは「NFTは自分自身、および自分の所有物をまとめて表現できるものであり、ここ30年ほどのテクノロジートレンドのなかでも大きなインパクトをもたらすものである」と語る。このインパクトを知らないビジネス界隈の方々が多いので、金融界のダボス会議と呼ばれる「ミルケン・インスティチュート」の会議にてNFTの重要性を語って来たそうだ。一部のギークだけのものから、大きなビジネス界へのうねりも作りそうな印象を受ける。カーボンニュートラルの取り組みも積極的に行うサービスも生まれてきている。




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文・写真=西村真里子

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