過去1カ月間のビットコインの上昇率は25%だったが、イーサリアムの上昇率は35%だった。暗号通貨市場全体の時価総額が初めて3兆ドルを上回った中で、あるヘッジファンドマネージャーは、2022年にもイーサリアムがビットコインを抜いて最も価値のある暗号通貨になる可能性があると指摘した。
「私は、イーサが今回の上昇サイクルで、ビットコインを超える可能性が高いと考えている」と、BlockTower Capitalの共同責任者であるRahul Raiは、11月7日のInsiderの記事で述べている。「このサイクルがいつ終わるかを予測するのは非常に難しいが、来年半ばになると考えている」
イーサリアムの価格は、過去1年間の分散型金融(DeFi)やNFTへの関心の高まりの中で急上昇したが、これらはいずれも主にイーサリアムのブロックチェーン上に構築されており、暗号通貨コミュニティでは、イーサリアムが最終的にビットコインを抜いて最も価値のある暗号通貨になるとの見方が高まっている。
「イーサリアムは、将来的に世界の金融全体のレールを敷こうとしており、成功すればより大きな市場になる」と、Raiは述べている。「イーサリアムが成功し、その理論が実現すれば、何兆ドルもの世界的な活動を取り込むことになり、それはビットコインよりもはるかに大きなものになる」
しかし、Raiはビットコインの価格についても強気で、ビットコインが最終的に金に代わる世界の事実上の価値の貯蔵庫となり、インフレに対するヘッジとなる可能性があるという他の人々の意見に同意している。
「ビットコインは価値の貯蔵庫であり、デジタルの金になると考えられる。時価総額は少なくとも金と同等になるが、金よりも優れた特性を持っていために、もっと大きくなるかもしれない」と、Raiは述べた。
金の時価総額は現在、約11.6兆ドルとされており、ビットコインは1.3兆ドル、イーサリアムは5700億ドル程度だ。
ここ数カ月、イーサリアムの需要が急増しているだけでなく、その供給が圧迫されている。夏に実施された待望のアップグレードにより、多くのイーサが市場に出回らずに「焼失」したが、データによると、投資家はイーサをより長く保有しようとしている
TradeStation Groupの担当副社長のDavid Russellは、「イーサリアムの需要は、新たなコインの創出が遅くなると同時に高まっている」と述べている。彼が引用したCryptoquantのデータによると、大口投資家がイーサを取引所から引き上げた結果、現在一般に公開されているイーサの数は1800万枚に減少したという。「これはここ1年以上の間での最低値で、6月下旬から約16%の減少となっている」と、Russellは述べた。