米国人の55%が「コロナ禍前に復帰」に危機感なし、世論調査

カリフォルニア州ロサンゼルスのオルベラ通りで開催された死者の日のお祭りで、レストランに集う人々(11月1日)(Photo by Mario Tama/Getty Images)

最新の世論調査で米国人の55%が、パンデミック前の生活に戻ってもリスクはほぼないと考えていることが判明した。この調査は、11月5日から8日にかけてアクシオスとイプソスが米国の1033人の成人を対象に実施した。

パンデミック前の生活に戻ることが、「自分の健康や幸福に及ぼすリスク」が小さいと考える回答者は38%、リスクはないと考える回答者は17%だった。つまり、全体の55%がリスクがほぼないと考えており、この値は8月末の40%から上昇していた。

また、特定の行動に関して「ほとんどリスクがない」と回答した人の割合も、過半数に達しており、「家族や友人との集い」「レストランでの食事」「小売店での買い物」について、リスクがないと答えた人の割合はそれぞれ、61%、59%、63%だった。

これらの割合は、新規感染者数が8月から9月初旬にピークを迎えた後、減少するにつれて上昇している。例えば、8月27日から30日の調査で、人と会うことや食事に行くことに抵抗がないと答えた人は47%にとどまっていた。

ただし、ほとんどの回答者は、通常の活動に戻ったとしても予防措置をとっており、66%が「少なくともマスクを着用している」、69%が「他人から6フィート(約3メートル)以上離れるようにしている」と回答した。

新型コロナウイルスについて、依然として70%の人が「多少なりとも不安がある」と回答したが、「非常に不安だ」と回答した人の割合は13%に減少している。また、少なくとも中程度のリスクがあると考える人が過半数を占める活動もいくつかある。

飛行機や公共交通機関での移動、スポーツ観戦などを、「リスクが小さい」または「リスクがない」と考えている人の割合は41%にとどまっていた。ただし、これらの行動に対する安心感もデルタ株のピーク以降は、高まっている。

ワクチンの普及で安心感が増大


ニューヨーク・タイムズがまとめたデータによると、11月9日時点での米国における1日あたりの新型コロナウイルスの新規感染者数の7日間の平均値は、7万3875人となっている。これは、8月から9月初旬にかけてのデルタ株のピーク時の約20万人からは大きく減少しているが、6月と7月の約1万1000人をはるかに上回っている。

人々が外食や社交の場に戻ることに自信を深めていることを示すデータは、他の世論調査でも示されていた。10月28日から30日にかけて行われたモーニング・コンサルの世論調査では、70%の米国人が「レストランに行くことに抵抗はない」と回答し、7月上旬以来の高い割合となっていた。

米国ではワクチンの接種率が上昇しており、成人の70%が接種を済ませたことに加え、ブースターショットや、5歳から11歳までの子供を対象とした接種が認められたことも、人々が通常の活動に戻る自信につながっていると考えられる。

編集=上田裕資

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