フェムテックヘルスの事業計画は、バーチボックスだけではない。同社は2022年、コンシェルジュ型の遠隔医療プラットフォーム「Awesome Woman」を立ち上げ、妊娠や閉経など、女性の健康に関する総合サービスを提供する予定だ。顧客はリモートで医師に相談し、医師はデータとテクノロジーを活用して、さまざまな在宅検査や処方薬を提供し、検査結果に基づいて製品を勧める。
例えば、ある女性が尿路感染症を繰り返し発症している場合、このサービスを通じて、在宅検査を受けて診断を確定し、抗生物質で治療できる。さらに、考えられる再発理由を女性に知らせ、長期的に症状を抑制するためのサプリメントを提案することができるだろう。
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評価額3億8000万ドルで3800万ドルの資金を調達したフェムテックヘルスは、自社での食品サプリメントやプロバイオティクスの開発もおこなっており、これらの販売やパーソナルケア製品の開発も視野に入れている。ゆくゆくはこうした製品を小売店で販売する可能性もある。また、同社は企業の福利厚生として、社員に自社製品を提供するとともに、ジム会費の割引や、メンタルヘルスサービスの利用も提供している。
フェムテックヘルスの最高科学責任者を務めるキム・カポーンは、「女性たちは何を、いつ、どう使えばいいかを知らない。これらすべてを統合するのが我々の仕事だ」と述べている。
カポーンが、以前の職場であるジョンソン&ジョンソンに勤めていた時におこなった研究は、同社のブランド「ジョンソン・ベビー」と「アビーノ」で、オーツ麦由来のプレバイオティクス(有用な共生微生物の生息環境を整える物質)を使用した、皮膚の保水力を高める商品の開発につながった。