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(c)Gatik

シリコンバレーの自動運転テクノロジー企業の「ガティック(Gatik)」は、配送センターから店舗までの「ミドルマイル」輸送サービスを、スーパーマーケットなどに提供している。同社は、ウォルマートとのプロジェクトで、人間のバックアップなしで走行する自動運転トラックで、商品を運ぶ試みを開始した。

ガティックは2019年から、ウォルマートの地元であるアーカンソー州ベントンビルの配送センターに2台の完全自動運転トラックを配備し、約11キロの固定ルートで商品の輸送を行っている。今回のプロジェクトは8月に始動したもので、ガティックによると、自動運転トラックが人間のバックアップなしで商用輸送を行うのは、業界初の試みだという。

ガティックの共同創業者でCEOのGautam Narangは、フォーブスの取材に「これは、当社が4年半前の創業当時から目指してきたマイルストーンだ」と語った。ただし、車両にはバックアップのための安全機能が装備されており、助手席には、限定的な操作を行う担当者が座り、必要に応じて停止ボタンを押すという。

ガティックの今回の試みは、配送や物流向けの自動運転テクノロジーの開発が、ロボットタクシーや乗用車向けの自動運転よりも、速いペースで進む中で行われた。物流業界ではドライバー不足が深刻になる中、TuSimple、オーロラ、Embarkなどの自動運転トラック企業や、ロボット配送のNuroなどが、巨額の資金を調達している。

ガティックは、長距離を走る大型の自動運転トラックの開発に注力するTuSimpleや、小型の配送ロボットで知られるNuroなどの競合他社とは異なり、変化の少ない反復的な中距離の固定ルートで企業向けの配送を行う車両に特化している。

ウォルマートのバイスプレジデントのTom Wardは、「ガティックとの取り組みを通じ、自動運転トラックが店舗間の固定ルートを往復する物流オペレーションにおいて、効率的で安全かつ持続可能なソリューションになることが分かった」と述べている。

ガティックはいすゞとも提携


ウォルマートとガティックの両社は、この提携の財務的な詳細を開示していない。Pitchbookによると、ガティックは過去4年間で1億1450万ドルを調達しており、評価額は8億5400万ドル(約960億円)に達している。同社は、いすゞと共同で新型の自動運転トラックを開発中で、現時点でアーカンソー州、ルイジアナ州、トロント、テキサス州で約25台の配送車を運行している。

ガティックは、ウェイモやクルーズなどの自動運転分野の大手と比べると規模は小さいが、配送や物流の自動運転化への注目が高まりつつある中で、優秀なテクノロジー人材を確保しやすくなっているとNarangは話す。

「才能あるエンジニアたちは、自分の仕事が実際に商用化され、人々の暮らしに役立つのを見たいと思っている。当社のビジョンは、他の自動運転テクノロジー企業で経験を積んだ人々を引き寄せている」とNarangは語った。

編集=上田裕資

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