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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

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キーワードはエンゲージメント。投資に見合うスポンサーシップの活用が求められている。コロナ禍を機に企業とスポーツの関係は新しい形へ。


世界のスポンサーシップは、試合の中止や延期によって多大な影響を受けた。2020年度のスポンサー支出は2019年度の479億ドルより減少すると予想されている。しかし、マイナスの影響ばかりではなかった。

ニールセンスポーツジャパン本庄健人は「無観客のスタジアムを活用した新しい形の広告が打たれたのですが、それがむしろ、高いメディア価値を生み出すという好結果につながった」と言う。

例えば、NFLチームは2020年レギュラーシーズン中に、空席シートを利用したTARPブランディングを行い、960万ドルのメディア価値(メディア露出)を産出した。また、無観客や無試合を逆手に取った発想で、デジタルメディアを活用した新しい形のアクティベーションも相次いで生まれている。

NBAは2020年7月、フロリダディズニー内に設置した無観客スタジアムにマイクロソフト社の大型スクリーンを張りめぐらし、ファンがバーチャル参加できる「バーチャル試合観戦」を開始、テレビ放映した。その施策効果は、マイクロソフト社に600万ドルというメディア価値をもたらした。また、アスリートとファンが競うバーチャルゲームの開催やアスリートによるバーチャル試合「eスポーツ」の配信など、スポンサー企業とファンを巻き込んだ新たな試みも行われた。

さらに、契約アスリートを起用したソーシャルメディアのアクティベーションも一気に増えた。こうしたアスリートがダイレクトにファンとリンクする傾向は今後さらに強まり、スポンサー投資額は3年後には3億1400万ドルから12億ドル、約4倍に増加する見通しだ。

「パンデミックの中でさまざまな規制があったからこそ、新しい形のデジタルアクティベーションが生まれ、スポーツやアスリート、企業とファンとの間でエンゲージメントが深まった。成功したものはアフターコロナも継続していくでしょう」と本庄。

文=中沢弘子

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