「職場での難しい会話」を良い結果に導くには

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ふだん対立をどうやって解決しているかを人に尋ねると、たいていの人は、対立を回避していると答える。実際、ある調査によると、従業員の80%以上は、職場でのやっかいな会話、つまり、必要だとはわかっているけれども怖気づいてしまうような会話から、逃げた経験があるという。

たいていの人は対立をネガティブに捉えるものなので、この結果は驚くにはあたらない。だが、回避しても事態は改善しないし、むしろたいていは悪化する。問題がエスカレートし、不満が蓄積し、やがて人々は仕事への意欲を失っていくのだ。

同僚の迷惑行為について上司に話をしたい時もあるだろう。あるいは、チームの誰かが、自分の役割を果たしていない場合もあるだろう。

欧州経営大学院(INSEAD)教授で、人事・組織開発を専門とするジャン=フランソワ・マンソーニ(Jean-Francois Manzoni)によれば、重要なのは、こうした会話を「より良い結果、つまり自分にとっても、話す相手にとっても、苦痛を軽減する結果」につなげる方法を知ることだ。職場での難しい会話を成功させ、人間関係を破綻させないための、いくつかのコツを以下に紹介しよう。

気が進まないからといって、先送りしない


やっかいな会話は、時間が経つほどますます困難になっていく。しかも、時間が経つほど不安が蓄積し、問題が悪化する。

アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズはかつて、「私の仕事は人に優しくすることではない。私の仕事は、わが社のすばらしい人々を鼓舞し、さらなる高みに到達させることだ」と述べた。だから、定期的なフィードバックを習慣づけて、問題が生じたらすぐに報告するようにしよう。

ポジティブな姿勢で対処する


話す前から緊張しすぎないように、マインドセットを切り替えよう。ただの、よくある職場での会話のひとつだと思えばいい。話し合いはきっとうまくいく、と考えるべきだ。自信をもって臨み、単刀直入に話そう。ポジティブな姿勢で状況に対処することで、ポジティブなエネルギーをもたらすことができる。

日常的に「難しい会話」を行う


フェイスブックの最高執行責任者シェリル・サンドバーグは社員たちに、少なくとも週に1度は難しい会話をするように促している。ふだんからこうした会話をしておかないと、成長しないと考えているからだ。

難しい会話をすることで、企業が抱える不都合な問題は否応なく表面化し、それは、会社として問題解決にあたるのに役立つ。このことは、職場での多様性や、賃金の不平等といった重要な問題に、とりわけよくあてはまる。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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