ビジネス

2021.11.09 18:00

巨大なスポーツスポンサーシップ世界市場の実態


スポンサーシップマネーの動き


地域別・スポンサーシップ支出


世界のスポンサーシップ市場は、2019年には479億ドルの規模を持ち、北米、欧州、アジアの3地域に集中。なかでも、中国を中心としたアジア地域は、欧州に肩を並べる規模となっている。20年以降のコロナ禍による影響は今後数字に現れる可能性はある。



資金力を増す中国企業


スポーツのプレスカンファレンスの場で見る「バックボード」のスポンサー陣は、お馴染みの世界的企業のほか、新たに、Alipay、Hisense、TikTokなど中国企業が名を連ねるようになってきた。いまや、彼らの豊富な資金力は、看板だけでなく、ビッグトーナメントの開催誘致や、アクティベーション(権利の活用)を自国で実施するなど、スポーツコンテンツを引き寄せる存在になってきている。



世界のスポンサーシップ市場を分ける主要3地域のうち、アジア・太平洋地域の121億ドルというのは、年平均成長率+5.6%の結果だ。ほかの地域は4%台にとどまっている。中国企業の躍進により、いずれ近いうち、欧州の規模を超える可能性も出てきている。

世界のスポンサーシップ支出の「推移」




世界のスポンサーシップ市場は、この10年のあいだ順調に成長してきている。2020-21年はコロナ禍により成長率の鈍化も予想されるが、スポーツ視聴環境の多様化や、感染予防、そしてスポンサー権利を活用した新しい仕掛けなどが、どう数字に反映されるか、期待感もある。


岡部恭英◎TEAMマーケティング Head of Asia。商社勤務を経てケンブリッジ大学で MBA取得。2006年にUEFA専属マーケティング代理店の TEAMマーケティング入社。世界のスポンサーシップ市場に精通。

文=中沢弘子

この記事は 「Forbes JAPAN No.085 2021年9月号(2021/7/26発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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