スポンサーシップマネーの動き
地域別・スポンサーシップ支出
世界のスポンサーシップ市場は、2019年には479億ドルの規模を持ち、北米、欧州、アジアの3地域に集中。なかでも、中国を中心としたアジア地域は、欧州に肩を並べる規模となっている。20年以降のコロナ禍による影響は今後数字に現れる可能性はある。
資金力を増す中国企業
スポーツのプレスカンファレンスの場で見る「バックボード」のスポンサー陣は、お馴染みの世界的企業のほか、新たに、Alipay、Hisense、TikTokなど中国企業が名を連ねるようになってきた。いまや、彼らの豊富な資金力は、看板だけでなく、ビッグトーナメントの開催誘致や、アクティベーション(権利の活用)を自国で実施するなど、スポーツコンテンツを引き寄せる存在になってきている。
世界のスポンサーシップ市場を分ける主要3地域のうち、アジア・太平洋地域の121億ドルというのは、年平均成長率+5.6%の結果だ。ほかの地域は4%台にとどまっている。中国企業の躍進により、いずれ近いうち、欧州の規模を超える可能性も出てきている。
世界のスポンサーシップ支出の「推移」
世界のスポンサーシップ市場は、この10年のあいだ順調に成長してきている。2020-21年はコロナ禍により成長率の鈍化も予想されるが、スポーツ視聴環境の多様化や、感染予防、そしてスポンサー権利を活用した新しい仕掛けなどが、どう数字に反映されるか、期待感もある。
岡部恭英◎TEAMマーケティング Head of Asia。商社勤務を経てケンブリッジ大学で MBA取得。2006年にUEFA専属マーケティング代理店の TEAMマーケティング入社。世界のスポンサーシップ市場に精通。