誰もやらないことに挑戦し続けたい
──今後の展望を教えてください。
現在、私が小児外科の指導医であることによって、研修施設定が維持できています。次に続くすぐ下の後輩と10年離れているので、彼が指導医になるまであと10年ほどかかるでしょう。それを考えると、少なくとも10年〜15年は現在の大学病院での勤務を続けながら、外科教育者としてどのようにしていくかを模索していきたいと考えています。
あと私は、人がやらないことをやりたくなる、あまのじゃくな体質です(笑)。オンラインで学生に指導することはまだ積極的に行っている人が多くないので、挑戦し続けいきたいですね。
「山根塾」は、自分たちの医局に入局してほしいから取り組んでいるわけではありません。あくまでも、腕の良い医師を育てたい。スポーツと同じように手術手技は早期から練習を始めるほど上手くなると思っています。だからこそ、学生をメインターゲットに指導しています。彼・彼女らが腕の良い外科医になってくれて、今度はまた違う誰かを教えてくれれば、良い技術・指導がどんどん広がっていく。こういった広がり・つながりを目指していきたいですね。
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──医学生や若手医師へのメッセージをお願いします。
医学生や若い医師たちを相手に教えていると、エネルギーのある彼らに負けないようにしようという思いが湧いてきます。これが私の原動力になっています。また休みの日には、子どもたちとテニスをするのですが、それもまだまだ子どもに負けたくないという思いが原動力になっています。テニスは初心者ですが(笑)。今はかろうじて私が勝てているのですが、子どもにとっては、悔しがることがモチベーションに繋がっているようです。
糸結びなどの「100日チャレンジ」も一緒で、私自身は若い人たちの目標であり続けたいと思い頑張っていますし、参加者にとっては「私を超える」ことがモチベーションになっていると思います。
若い人たちに伝えたいのは、何事にもチャレンジ精神を持って取り組んでほしいということ。失敗したっていい。失敗したら、それを振り返って、少しずつ打たれ強くなりながら成長していけますから。そういった思いを持ちながら、果敢に前進していってほしいですね。
山根 裕介◎小児外科医。2005年、長崎大学医学部を卒業後、国立病院機構長崎医療センターにて初期研修。2007年、長崎大学病院腫瘍外科に入局、大分県立病院、佐世保市総合医療センターを経て、2009年より国立成育医療研究センター。2011年に佐世保市総合医療センターへ戻り、2013年より長崎大学病院腫瘍外科に赴任。2018年より病院助教授を務める。
*本稿は、医師たちに医療情報や医師の診療以外の活動を聞くウェブマガジン「coFFee doctors」からの転載である。