2020年にトリップアドバイザーに寄せられた口コミ総数は2600万件だ。その内訳は、レストラン関連が1200万件、ホテル関連が800万件、体験型アトラクションやイベント関連が400万件だった。
過半数は欧州での体験に関するレビュー(54.1%)で、それに北米(23.5%)、アジアならびに南太平洋(13.7%)が続いている。
2020年の2600万件という口コミ総数は、パンデミック前と比べると激減したが(2018年は6600万件)、虚偽レビューの割合は増えている。トリップアドバイザーによると、2018年に不正とみなされたレビューの割合は2.1%だった。
オンラインの口コミは、消費者の決断に大きな影響力を与えており、多くの人が決済前の判断材料にしている。レビューが重視されるようになったことで、虚偽レビューを操作して、競合他社のリスティングを上げたり下げたりする不審な業界が急拡大した。
こうした虚偽レビューについては、大手テックのアマゾンやグーグル、フェイスブック、イーベイなども撲滅を約束している。いくつかの企業については、英国当局が、虚偽レビューに十分な対策を講じているか、調査を開始している。
虚偽レビューがどのくらい蔓延しているのかを正確に把握することは困難だ。また、業界が示す数字は、消費者団体や専門家の推定を大幅に下回っていることが多い。
なお、トリップアドバイザーは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと旅行に関連した25万件以上のレビューを、マニュアルでチェックした。そのうちの18%、数にしておよそ4万6000件が、ガイドライン違反で削除されたという。
違反の内容は、政府による新型コロナウイルス予防規制を無視するよう呼びかける内容や、ロックダウン措置に従って休業した施設に対する批判、新型コロナウイルスを描写する際に、人種的に問題のある表現を用いたケースなどだった。