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2021.11.09

トリップアドバイザー、2020年に100万件近い不正レビューを削除

Michael Vi / Shutterstock.com

旅行サイトのトリップアドバイザーは、「口コミの透明性に関するレポート」の最新版を発表。2020年の1年間で100万件近い虚偽のレビュー(口コミ)を、同プラットフォームが削除あるいは却下したことを明らかにした。また、「虚偽レビューを販売する新しいサイト」を多数突き止めたことも明らかにしている。続々と寄せられる事実無根のレビューからユーザーを守ろうとするテック系プラットフォームが、悪戦苦闘を続ける様子が浮かび上がったかたちだ。

トリップアドバイザーによると、2020年に寄せられたレビュー全体のうち、3.6%にあたる94万3205件が不正なものと断定された。そのうちの3分の2は、プラットフォームに掲載される前に、虚偽であることが確認された。

トリップアドバイザーが削除あるいは却下したレビューは、合計で200万を超えた(全体の8.6%)。その理由には、不正または不公平な内容(39.7%)、コミュニティ規範の違反(48.3%)、施設の廃業といった管理上の都合(12%)が挙げられている。また、口コミ投稿者本人が削除したケースもあった。

虚偽レビューの大多数(93%)は、過度に肯定的だとして削除された。たとえば、レビュー投稿者が施設と縁故関係にあったり、レビュー投稿の見返りに特典を提供していたりしたケースだ。それ以外は、意図的に悪意のあるレビュー(3%)や、有償レビュー(4%)だった。

トリップアドバイザーは2020年、有償のレビューを131カ国で削除したと発表した。また、インドからの有償の虚偽レビュー投稿が急増していたことも明らかにした。インドは、2020年における虚偽レビューの最大の発信源だったが、レビュー対象は必ずしもインド国内の施設ではなかった。

トリップアドバイザーによると、2020年にインドに続いて虚偽レビューの投稿が多かった国は、ドイツ、ブラジル、米国、パキスタン、ギリシャ、アルゼンチン、バングラデシュ、トルコ、イタリアの9カ国だった。

有償レビューと不正レビューは、トリップアドバイザーがかねてから抱いてきた悩みのタネだ。同社によると、2020年にはレビューを有償提供するサイトが新たに65件、確認された。また、不正行為があったとしてペナルティが適用された施設は3万4605カ所に上ったほか、コミュニティ規範を順守しなかったとしてサイト利用を禁止されたメンバーは2万299人に上った。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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