ガジェットの分解で知られるニュースサイトiFixitが11月4日に掲載した衝撃的なレポートによると、すべてのiPhone 13には「修理業界を永遠に変えてしまうかもしれない、画面修理のワナ」が存在するという。そのワナは、消費者の選択肢とお金を奪うことになる。
iFixitはiPhone 13を分解し、スクリーンの底部に小さなチップがあるのを発見した。このチップは、各端末とディスプレイをペアリングするマイクロコントローラーで、画面が破損して交換が必要になった場合、マイクロコントローラーに新しいスクリーンとのペアリングを指示する必要がある。そして、この指示には「Apple Services Toolkit 2」(AST2)という高価なサービスが必要になるのだ。
ペアリングを行わない場合、Face IDが無効になり、“Unable to activate Face ID on this iPhone”というメッセージが表示される。この現象は、修理業者がアップル純正のディスプレイを使用した際にも起こるとされ、iFixitは「まったく不要な措置だ」と述べている。
「Face IDのスキャナは、ディスプレイから完全に分離されているため、画面交換後のiPhone 13でFace IDを作動させ続けることは、当社のエンジニアが調べた限りでは、これまで以上に簡単なはずだ」とiFixitは指摘した。
「画面交換は非常に一般的な修理であり、世界中の何万ものリペア業者が、低価格で顧客の需要に応えている。そしてアップルは、一挙に、この業界を切り捨てようとしている」とiFixitは述べている。
iPhone 13のオーナーは、この事実を認識すべきだ。この措置によってまず、近くにアップルストアがない人の選択肢が奪われる。第二に、競争相手のいないアップルは、自由に好きな価格を設定することが可能だ。同社はすでに、保証外のiPhone 11 Pro Maxの画面交換に約600ドルを請求し、オーナーに事実上、AppleCare+保証(200ドル)の支払いを強要している。
ここで興味深いのは、以前にも同様な問題が起きていたことだ。アップルは、Touch IDやバッテリー、カメラについても、サードパーティによる修理をブロックしたことがあった。しかし、そのたびに同社は世間の反発を浴びた結果、その措置を元に戻していた。今回も、十分な世論の反発があれば、アップルがこの措置を撤回する可能性はある。
要するに、iPhone 13のオーナーたちは、怒るべきなのだ。
筆者は、この件でアップルにコメントを求めている。回答が得られた場合はこの記事に補足を加えたい。