サンドボックスの評価額は不明だが、同社が発行する暗号通貨であるサンドボックス・コイン(SAND)の時価総額は約20億ドルに達している。ビジョンファンド2が、独自の暗号通貨を発行する企業に出資するのは、今回が初めてという。
サンドボックスの過半数を所有する香港のアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)」は、10月にユービーアイソフトやセコイア・チャイナなどの投資家から6500万ドルを調達し、評価額が22億ドルに達していた。
今回のサンドボックスへの出資には、LGテクノロジーベンチャーズ、サムスンネクスト、Liberty City Venturesなども参加した。
サンドボックスのプレイヤーは、自身のアバターを作成したり、ゲーム内の土地を購入したりして、仮想世界を構築できる。また、ゲーム内の土地や武器などのアイテムのNFTを、専用のマーケットプレイスで売買できる。
サンドボックスは、今回の資金調達をプラットフォームの拡大に注ぎ、ブランドや著名人がファンと交流するデジタル空間としての成長を加速させると述べている。同社のプラットフォーム上では、すでに1万12000人がデジタルの土地を所有しており、その中にはラッパーのスヌープ・ドッグや、ビデオゲームメーカーのAtari、暗号通貨取引所のバイナンス、ビリオネアのウィンクルボス兄弟などが含まれている。
サンドボックスのGMV(流通取引総額)は、11月2日時点で1億4400万ドル以上に達している。
サンドボックスの共同創業者でCEOのアーサー・マドリッドは、「今回の投資は、ゲームにとどまらず、バーチャルコンサートやアート、ファッションなどに拡大する当社のクリエイターエコノミーの成長を後押しするものだ」と述べている。
ゲームやソーシャルメディア、暗号通貨、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などの要素を組み合わせたデジタル空間のメタバースには、各社の参入が相次いでいる。先日は、フェイスブックが社名をメタに変更し、マイクロソフトもエンタープライズ版のメタバースを発表したが、サンドボックスの今回の資金調達は、大手テクノロジー企業のこの分野への参入が活発化する中で行われた。