経済・社会

2021.11.09 06:00

中国からの「モノの流れ」が今後さらに滞る5つの要因


4. 対米輸出品に課される追加関税の継続


トランプ政権が、中国からの輸出を制限し、なおかつ中国内への政治的影響力の行使を狙った強硬策に出て以来、貿易規制は、避けて通れない厳しい現実として、中国から米国への輸出に過去数年にわたって影響を与えてきた。

トランプ政権の狙いは2つとも達成できたとは言いがたいが、最近になって、中国からの米国の物品の輸入は減少している。そしてその埋め合わせとして、主にベトナム、インドネシア、バングラデシュといった国々が恩恵を得る現象が起きている。

中国から製品を輸入している企業の多くは、バイデン政権が、前政権が導入した追加関税の一部あるいはすべてを撤廃することを期待しつつ、この1年ほどは「待ち」の状態にあった。だが、期待した通りにことは運ばず、バイデン大統領は今に至るまで、この問題に緊急に対処する意思を示していない。このまま追加関税が撤廃されなければ、企業が生産拠点を中国から他国に移す動きは続くだろう。

5. 習近平主席の経済政策


習近平国家主席は経済界への締め付けを強めているが、最近になってその対象が広がるとともに、そのやり方もあからさまになっている。規制の対象は当初、テック系と不動産系の企業だったが、今では、国内の他の多くの業界に及んでいる。

これらが引き金となって、西側企業が中国への投資を抑制、さらには取りやめる可能性がある。そうなれば、今でも欧米企業をパートナーとして必要としている中国にとっては、大打撃となるだろう。

確かに、中国は単独で成功をつかむ能力をかつてないほどに高めている。しかし、西側の投資家なしでは、その道のりは厳しく、時間もかかり、最終的につかむことができる成功の規模も小さくなるだろう。

習主席の経済政策がこのまま続き、企業への締め付けがさらに厳しくなれば、米国やその他の西側諸国にとって、ビジネスパートナーとしての中国の魅力は薄れていくはずだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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