5歳以上の接種承認前に知っておきたい「注射針と恐怖症」について

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そのほかチェンバーズ教授は、「子どもに対して正直であることも重要だ」と指摘する。病院に行くと聞かされれば、子どもはそれはなぜかと質問する。「注射するの?」と尋ねることもあるだろう。怖がってはいけないと思い、「しないよ」と答える親もいるかもしれない。

だが、実際には注射することになれば、子どもは親に不信感を持つことになる。教授はワクチン接種を受ける2~5日前に、そのことについて子どもと話をしておくことを勧めている。

「予防接種でもその他の処置でも、多くの親は子どもたちに、なぜそれが必要か説明する時間を取っていない。今の場合であれば、新型コロナウイルスから自分を守り、身近にいる他の人たちの安全を保つためにワクチンを接種するのだと説明することが非常に重要であり、それは子たちにとっても、大きな助けになる」

一方、過去の調査結果から、子どもを安心させるために親がよかれと思ってすることが、実際には子どもが注射で感じる痛みや不安感を大きくしていることが示されていると聞けば、驚く人も多いかもしれない。

それは、親が「大丈夫だよ」「すぐに終わるよ」などの、安心させるための言葉をかけることだという。そう言われることで、子どもはより不安を感じるためだ。チェンバーズ教授は、親ができる最善の方法は、注射以外の別のものに注意を向けさせることだと述べている。また、笑わせることも効果的だという。

その後の人生において注射が必要になった場合の対応にも影響を及ぼすことから、注射の痛みやストレスを最小限に抑えることは、重要なことだ。幼い時期に注射針によって外傷的(トラウマ的)な体験をした人は、大人になっても恐怖症を克服できない可能性がある。

その後の人生で起こりうる問題を避けるためにも、子どもにとっては注射を受けることが穏やかで、可能な限り痛みを伴わない経験であることが、重要だということになる。

編集=木内涼子

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