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2021.11.06

在宅フィットネスのペロトンが株価急落、経済再開で需要低下

Ezra Shaw/Getty Images

在宅フィットネス大手として知られるペロトン(Peloton)の株価が11月4日、急落し、同社の創業者でCEOのジョン・フォーリーの保有資産は約4億ドル減少した。

インターネットに接続可能な、高額なフィットネスバイクで知られるペロトンは、コロナ禍を受けて、自宅で隔離生活を送る人々に支持されたが、4日の四半期決算で予想を下回る業績を発表し、来期の見通しを引き下げた。同社の株価は24%急落し、保有資産を10億ドルに減少させたフォーリーは、かろうじてビリオネアの地位を保っている状況だ。

フォーリーが保有する2012年設立のペロトンの株式の価値は、現在約9億ドルだ。彼は2019年9月のIPO以降に、ペロトンの株式の売却によって、税引き後で推定1億ドルの利益を得ていた。

ペロトンの9月30日までの四半期の業績は、売上高が8億500万ドルで純損失が3億7600万ドルだった。同社は、前年の同期には6930万ドルの純利益をあげていた。ペロトンは、サブスクリプション加入者数の伸びの鈍化にも直面しており、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、今期の新規加入者数はIPO以降で最低だったという。

フォーリーは株主向けの書簡で、同社が2022年度のガイダンスを引き下げるのは、経済再開によって、「顕著な需要の低下」が発生したからだと述べた。同社は、2022年6月までの来期の売上高を43億ドルと予想しており、3ヶ月前の予想の54億ドルから20%引き下げた。

「第1四半期の業績が、ガイダンスを若干上回ったことは喜ばしいが、第2四半期のスタートが予想よりも軟調で、短期的な業績の見通しが立たないことから、来年の見通しを再検討した」とフォーリーは書簡で述べた。

ペロトンの予想を下回る業績は、パンデミックの初期の頃とは大きく異なっている。新型コロナウイルスの大流行により、フィットネスジムが閉鎖された2020年3月に同社の株価は急上昇し、12月には1株162ドルの史上最高値をつけていた。同社の株価は、4日に約60ドルにまで下落した

編集=上田裕資

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